2018年の産業機械生産、予測を下回る

(ドイツ)

デュッセルドルフ発

2019年02月21日

ドイツ機械工業連盟(VDMA)は2月8日、2018年の産業機械の生産が年末に大きく失速し、同年4月に発表していたVDMAの予測値(5%増)を大幅に下回ったと発表した。連邦統計局の速報値によると、2018年の産業機械生産高は前年比で2%の増加にとどまった。2018年1月から10月までは前年同期比3.7%程度の成長を記録していた一方、VDMAでエコノミストを務めるオラフ・ボルトマン氏は「11月と12月に生産が低い水準にとどまり、特に12月の生産高は前年同月比で8%減少した」と述べ、「地政学的な不確実性を産業全体が感じていることを如実に表している」とした。

2018年の受注高についてみると、国内受注は前年比で6%の増加、国外からの受注は4%の増加を記録した。この結果について、ボルトマン氏は「受注の勢いは年間を通じて国外から国内にシフトしている」と指摘するとともに、「既に国外受注が高い水準で推移していることを考えると、この傾向は産業にとって好ましい展開だ」としている。

好調な受注動向に反し、生産高が伸び悩む背景には、原材料不足や労働力不足、自社内の製造設備の不足などがあるとの見方も強く、納期の長期化も指摘されている。国内外での景気先行きへの不安が高まる中、VDMAでは「2019年の生産も前年比で2%程度の成長を見込む」とした2018年9月の見通しを維持している。

(ベアナデット・マイヤー、森悠介)

(ドイツ)

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