2018年の江蘇省GRP成長率は6.7%、安定成長を実現

(中国)

上海発

2019年02月06日

江蘇省の2018年の域内総生産(GRP)は、前年比6.7%増の9兆2,595億元(約148兆1,520億円、1元=約16円)となった。産業別にみると、第一次産業は1.8%増の4,142億元、第二次産業は5.8%増の4兆1,249億元、第三次産業は7.9%増の4兆7,205億元だった(表参照)。

表 江蘇省の主要経済指標

固定資産投資額は前年比5.5%増と2017年に比べ2.0ポイント低くなった。産業別にみると第二次産業の投資額は7.9%増、中でも約59%を占める製造業の投資が11.2%増と堅調だった。第三次産業の投資額は3.7%増にとどまり、2017年(7.5%増)の半分以下の水準に落ち込んだ。

貿易総額は前年比9.5%増の4兆3,802億元となり、輸出額は8.4%増の2兆6,658億元、輸入額は11.3%増の1兆7,145億元だった。主要輸出先をみると、米国向けは6%増の6,143億元、EU向けは6.9%増の4,974億元、ASEAN向けは13%増の2,996億元だった。一方、日本向けは5.5%増の1,952億元となった。「一帯一路」沿線国への輸出額は8.9%増の6,460億元で、輸出総額の24.2%を占め、輸出増加への寄与率は25.7%だった。

社会消費品小売総額は前年比7.9%増だった。中でもスマートフォンやノートパソコンなどの通信機器の販売額は30.8%増となり、前年の増加率を12.2ポイント上回った。また、インターネット消費は25%増となった。

工業生産の付加価値額は前年比5.1%増となった。分野別にみると、専用設備(前年比12.5%増)、電子(11.3%増)、医薬(10.4%増)、自動車(7.2%増)などハイテク製造業が伸びている。新エネルギー車は前年の2.4倍と大きく増加した。

2019年は生態環境の質の改善を目指す

江蘇省政府は1月14日に開催された江蘇省第13回人民代表大会(省議会に相当)で、2019年のGRPの成長率目標を6.5%以上とした。このうち、固定資産投資は6%増、ハイテク産業投資は10%増、工業技術投資は9%増、工業投資は6.5%増とする。社会消費品小売総額は8.5%増とするなどの目標が掲げられた。

2019年度の主な任務としては、「一帯一路」の建設、長江経済ベルト、長江デルタ地域の一体化発展から構成される三大国家戦略を確実に実施すること、製造業を中心とするグレードアップや国家産業イノベーションセンターの建設など、華東地区の他の省市と同様の目標を掲げた。一方で環境分野に関しては、2018年に行われた中央政府による環境保護査察を振り返る中で、査察時の指摘事項が改善されていない点が多いとの指導があったことを受け、生態環境の質を持続的に改善させることを目標として掲げ、大気、水質、土壌汚染防止などの環境保護対策に力を入れるとしている。

(侯恩東)

(中国)

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