福建省の2018年GRPは8.3%成長、投資が2桁増に

(中国)

広州発

2019年02月12日

福建省統計局の発表によると、2018年の福建省の域内総生産(GRP)の成長率は前年比8.3%で、総額は3兆5,804億400万元(約57兆2,865億円、1元=約16円)だった(図参照)。前年を0.2ポイント、中国全体を1.7ポイント上回った。

図 福建省のGRP成長率〔前年(同期)比〕

産業別の成長率は第一次産業が3.5%、第二次産業が8.5%、第三次産業が8.8%だった(表参照)。

表 福建省の2018年の主要経済指標

投資と消費は減速も、輸出が下支え

項目別では、固定資産投資(鉄道を含まず)が前年比11.5%増(前年の伸び率との差2.0ポイント低下)となった。全国平均を5.6ポイント上回り、全国4位だった。

うち、不動産開発投資は3.0%増(1.5ポイント低下)の4,940億3,400万元で、そのうち住宅投資は6.8%増の3,456億8,600万元だった。

社会消費品小売総額は、前年比10.8%増(0.7ポイント低下)の1兆4,317億4,300万元となった。うち、飲食業収入は10.0%増の1,447億4,600万元、商品小売額が10.9%増の1兆2,869億9,700万元だった。一定規模以上の卸・小売企業では、自動車関連が7.7%増となった。インターネットを通じた商品販売額は、19.5%増の995億5,500万元だった。

貿易額は前年比6.6%増(5.4ポイント低下)の1兆2,354億2,900万元で、うち輸出が7.1%増(3.0ポイント上昇)の7,615億5,800万元、輸入が5.8%増(21.7ポイント低下)の4,738億7,200万元だった。

税関統計によれば、米国向け輸出は前年比11.0%増の1,600億4,220万元と増加した一方、輸入は9.6%減の433億2,002万元と減少した。輸出は、米国のほか、EU(8.0%増)、ASEAN(7.2%増)、香港(4.5%増)、日本(10.3%増)と上位5カ国・地域がいずれも堅調な伸びを示した。

スマートフォン生産が急拡大

一定規模以上(注)の工業企業の付加価値額は前年比9.1%増となった。うち、ハイテク製造業が13.9%増となり、全体の11.3%を占めた。自動車生産台数が14.8%減の23万9,500台と減少したものの、スマートフォンなどの移動通信電話は2.3倍の1,362万1,400万台となった。

都市部住民の1人当たり可処分所得は名目8.0%増(実質6.4%増)の4万2,121元、農村部住民は名目9.1%増(実質7.5%増)の1万7,821元だった。

福建省統計局は2018年の経済状況について、「合理的区間(妥当なレンジ)で運営されており、全体的な安定と、安定の中での発展を維持した。一方で、外部環境は複雑で厳しく、先端製造業に関する要素は不足しており、質の高い発展の実現のために、さらに深いレベルでの改革の要がある」とした。

(注)主要業務収入が2,000万元以上の卸売業、500万元以上の小売業の法人、主要業務収入が2,000万元以上の工業企業法人など。

(河野円洋、郭冬梅)

(中国)

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