関税引き上げを見込んだ輸入貨物の増加続く

(米国)

ロサンゼルス発

2019年01月30日

ロサンゼルス(LA)地域にある港湾の2018年第4四半期(10~12月)コンテナ取扱量は、前年同期比7.4%増の475万7,033TEU(20フィートコンテナ換算単位)となった。ロサンゼルス港(Port of LA)は9.6%増の268万8,143TEU、隣接するロングビーチ港(Port of LB)では4.6%増の206万8,890TEUだった。ロサンゼルス国際空港(LAX)の2018年第4四半期の貨物取扱量は、前年同期比1.9%増の63万9,955トンだった(図参照)。

図 月別貨物取扱量の推移(2016年10月~2018年12月)

西海岸の港湾では輸入貨物の混雑が続く

ロサンゼルス港では、2018年7月から12月まで貨物取扱量が毎月80万TEUを超え、貨物量のピークが持続している。物流業界紙「ジャーナル・オブ・コマース」(1月17日)によると、米国の輸入者が1月1日に予定されていた中国製品などへの輸入関税引き上げ(2018年12月20日記事参照)を見込んで輸入を前倒ししたことによる。港湾では貨物増加が続く中、旧正月に伴う工場などの休業により、アジア地域からの貨物受け入れが減少するため、貨物の混雑が一時的に落ち着くとする見方もある。米国商船協会(PMSA:Pacific Merchant Shipping Association)によれば、ロサンゼルス港とロングビーチ港でコンテナが港湾内に滞留する時間は2018年9月時点で2.89日だったが、11月が3.51日と長期化している。また、5日もしくはそれ以上、港湾内に滞在する貨物の量が9月は5.0%だったのに対し11月は13.9%まで増えているという。同協会担当者は「5日以上貨物が港に滞在することは不安」と港湾の混雑についてコメントしている。

ロングビーチ港湾局のマリオ・コルデロ局長が1月23日に行った施政方針演説の中で、2018年12月が同年6月に続き過去2番目に貨物取扱量が多い月だったことに触れるとともに、米中両国間の通商摩擦について「両国が違いを解決し、経済を持続成長させることができるだろう」とし、今後の貿易量見通しについては楽観的な見方を示した。

(サチエ・ヴァメーレン)

(米国)

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