アルゼンチンもグアイド・ベネズエラ暫定大統領を支持

(アルゼンチン、ベネズエラ)

ブエノスアイレス発

2019年01月28日

ベネズエラのフアン・グアイド国民議会議長が1月23日に暫定大統領への就任宣言を行ったことに対し、アルゼンチン外務・宗務省は同日、声明第017/19号として、「アルゼンチン政府はフアン・グアイド議長をベネズエラ暫定大統領として承認する」と発表した。また、マウリシオ・マクリ大統領はツイッターで、同議長を支持することを表明。加えて、「アルゼンチンは、ベネズエラの民主化の再建と市民としてふさわしい生活環境の再構築に向けて、全力で支援する」とも投稿している。

アルゼンチン内務・公共事業・住宅省の発表によると、2018年の同国におけるベネズエラ人移民の数は前年比2.26倍の7万531人を記録。隣国のパラグアイやボリビアを抑えて、初めてベネズエラが、受け入れ移民者数で年間トップとなった。アルゼンチンとベネズエラは国境を接していないため、これまでの移民者数は、2014年までは3,000人未満で推移していたが、ベネズエラ経済が不安定に陥った2015年以降に急増した。

アルゼンチンでは移民法第25871号によって、あらゆる移民に対して、医療と教育の無償をうたっており、ベネズエラ移民にとっても優しい制度・環境が準備されている。「ラ・ナシオン」紙(1月25日)によると、内務・公共事業・住宅省高官の発言として、83%のベネズエラ移民は首都ブエノスアイレス、またはその近郊で生活しており、中間層や若者から構成されているとのことだ。また、2016年から2018年にかけて移ってきたベネズエラ人約11万人のうち、約8,000人が技術者、約2,000人が医療関係の専門家で、アルゼンチン経済にも貢献し得る人々だと前向きに捉えられている。

(紀井寿雄)

(アルゼンチン、ベネズエラ)

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