2018年の貿易額、輸出入ともに前年比増加
(ブラジル)
サンパウロ発
2019年01月15日
旧商工サービス省(MDIC、現経済省)が1月2日に発表した2018年の貿易収支は、輸出額が2,398億8,900万ドル(表1参照)、輸入額は1,812億3,100万ドル(表2参照)で、統計を取り始めた1989年以降で2番目に金額の大きい586億5,800万ドルの貿易黒字を記録した。輸出額は前年比10.2%、輸入額も20.2%増加した。
輸出を主要品目別にみると、一次産品と工業製品が増加した。特に輸出の5割弱を占める一次産品は、原油(51.2%増)、大豆油かす(34.7%増)、大豆(29.1%増)、鉄鉱石(5.3%増)がいずれも増加した。ブラジルの輸出相手国1位である中国向けは35.2%増加した。米中貿易戦争により米国産大豆に25%の関税がかけられたことによる需要増の影響を受けた。ブラジルから中国向け輸出額の43%は大豆で占められた。
乗用車の減少(22.9%減)はアルゼンチン・ペソ急落の影響が大きい。ブラジルの自動車輸出国1位はアルゼンチンで5割弱が同国向けだ。
輸入は、主要品目である資本財(77.2%増)が大幅増となったのをはじめ、原材料および中間財(12.1%増)、消費財(9.5%増)が全て増加した。ハイトン銀行のエコノミストであるフラビオ・セラーノ氏は1月2日付の「フォーリャ・デ・サンパウロ」紙で、輸出の増加を上回るペースで輸入が増えていることは、国内経済が回復している兆しであるため、良い傾向だと分析している。2019年も引き続き貿易収支の黒字が見込まれている。ブラジル中央銀行が民間金融機関の予測を基に取りまとめているレポート「フォーカス」(1月4日)によれば、2019年のGDP成長率は2.53%、貿易収支は520億ドルの黒字となっている。
(辻本希世)
(ブラジル)
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