2018年12月の失業率は3.9%、雇用者数の増加幅は10カ月ぶり高水準
(米国)
ニューヨーク発
2019年01月09日
米国労働省が1月4日に発表した2018年12月の失業率は3.9%と、市場予想(3.7%)より若干悪化した(表参照)。就業者数が前月から14万2,000人増加し、失業者数も27万6,000人増加した結果、失業率は前月(3.7%)から0.2ポイント上昇した。一方で、労働参加率(注)は前月から0.2ポイント上昇して63.1%と、2017年9月(63.1%)以来、1年3カ月ぶりの高水準となった。会計事務所RSMのチーフエコノミスト、ジョゼフ・ブリュスエラス氏は、失業率と労働参加率が同時に上昇したことについて、給与水準の高まりがより良い就業機会を求める人々の気持ちを後押ししている可能性があると指摘した(「ワシントン・ポスト」紙1月4日)。
失業期間が約半年(27週間)以上になる長期失業者が全体の失業者に占める割合は、前月から0.2ポイント低下して20.5%と、3カ月連続で低下した。また、適当な仕事が見つからずに職探しを断念した者や、不本意ながらパートタイム労働に従事する者(経済的理由によるパートタイム就業者)などを含めた広義の失業率(U6)は、前月と変わらず7.6%となった。
非農業部門の雇用者数が増加、教育・医療などで
12月の非農業部門の雇用者数の前月差は31万2,000人増と、前月と比べて増加幅が拡大し、2018年2月(32万4,000人増)以来、10カ月ぶりの高水準となった。なお、11月の数値は15万5,000人増から17万6,000人増へ、10月は23万7,000人増から27万4,000人増へ、それぞれ上方修正された結果、10月と11月の2カ月合計の増加幅は5万8,000人の上方修正となった。また、2018年全体の前月差増加幅は263万8,000人増と、2015年(271万2,000人増)以来、3年ぶりの高水準となった。
11月から12月にかけての雇用増加の内訳を主要業種別にみると、教育・医療サービス業(8万2,000人増)、娯楽・接客業(5万5,000人増)、建設業(3万8,000人増)などで、前月から増加幅が拡大した(11月はそれぞれ2万1,000人増、1万8,000人増、増減なし)。
平均時給は前月比0.4%増(11月:0.2%増)、前年同月比3.2%増(11月:3.1%増)の27.48ドル(11月:27.37ドル)となった。
(注)労働参加率は、生産年齢人口(16歳以上の人口)に占める労働力人口(就業者+失業者)の割合。
(権田直)
(米国)
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