ノー・ディール後のEEA市民の入国管理政策を公表

(英国)

ロンドン発

2019年01月29日

英国政府は1月28日、英国がEUから合意なく離脱(ノー・ディール)した場合の欧州経済領域(EEA)市民の入国・滞在に関する政策外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公表した。同政策は、2021年に開始予定の新移民制度(2018年12月20日記事参照)までの移行措置となる。

政府はノー・ディールでの離脱の場合、「人の自由移動」は2019年3月29日をもって終了し、その後に入国するEEA市民とその家族は、英国の移民管理規則に従うとしている。EEA市民は、3カ月以内の滞在であれば、これまでどおり電子パスポートをもって入国でき、ビザや申請などは不要。その間の仕事や就学も可能だ。3カ月を超える滞在を望む場合は、入国後3カ月以内に内務省に滞在許可を申請し、受理されれば最長3年間の滞在が可能となる。この滞在許可申請は有料となる予定で、その料金は今後公表される。ただし、同期間の延長はできず、永住権につながるものではない。3年を超えての滞在を希望する際は、新移民制度にのっとり、滞在許可を申請することとなる。EEA市民は、2020年末まで仕事や不動産の賃貸契約において、自国のIDカードやパスポートを証明書として利用することができる。

EU離脱日以前から英国に居住しているEEA市民とその家族は、引き続き居住することが可能で、定住資格の申請はノー・ディールの場合には2020年12月31日まで、EUとの離脱協定に基づく移行期間がある場合には2021年6月30日まで可能だ。

なお、アイルランド市民には本制度は適用されず、これまでどおり、共通旅行区域協定に基づき英国に自由に移動・居住することができる。

(鵜澤聡)

(英国)

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