対中輸出の伸びでアグロビジネス品目の輸出額が過去最高に

(ブラジル)

サンパウロ発

2019年01月22日

農業・畜産・供給省は1月18日、2018年のアグロビジネス貿易実績(注1)を発表した。それによれば、輸出額は前年比5.9%増の1,016億8,600万ドルと、初めて1,000億ドル台を突破し過去最高を更新した。これまでの最高は、2013年の999億3,300万ドルだった。2018年のアグロビジネス輸出額は、それ以外の品目を含めた全体の輸出額の42.4%を占める。一方、輸入額は0.8%減の140億3,800万ドル、アグロビジネス品目の貿易収支は876億4,800万ドルと黒字額が7.1%増加した。

輸出増を牽引したのは大豆関連3品目(大豆、大豆かす、大豆油)で、金額で29.0%増の409億600万ドル、数量で21.8%増の1億187トンだった。金額でみた同3品目合計のアグロビジネス輸出全体に占めるシェアは40.2%と、前年比7.2ポイント上昇した。主要因として中国でのニーズ増加が挙げられる。大豆でみると、中国向け輸出数量は2018年に6,880万トンと、前年から約1,500万トン増加した。大豆輸出量に占める中国の割合は前年比3.4ポイント上昇し82.3%となった。

それ以外の品目では、食肉が金額で5.0%減の147億100万ドル、数量で2.0%減の658万トンだった。中身をみると、牛肉が数量で11.1%増の164万トンだったが、鶏肉が5.1%減の402万トン、豚肉が7.1%減の64万トンと、いずれも減少している。なお、農業・畜産・供給省では、紙、パルプ、木材といった森林関連品目の増加を特筆しており、金額で22.8%増の141億5,100万ドル、数量で9.0%増の2,465万トンだった。主に中国向けの増加が要因としている。

相手国・地域別にアグロビジネス輸出額をみると、中国がトップで、2018年に前年比33.9%増の355億9,500万ドル(シェア35.0%)、以下、米国が1.3%増の68億600万ドル(6.7%)、オランダが2.9%増の45億8,100万ドル(4.5%)と続く。日本は17.8%減の21億3,800万ドルと8位(2.1%)だった(注2)。

(注1)アグロビジネスに含まれる品目は農産物、食品に加えて、森林関連製品、革など合計2,871品目。

(注2)アグロビジネス品目以外を含めた2018年輸出額でみた場合に日本の順位は9位でシェア1.8%。

(二宮康史)

(ブラジル)

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