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所得税の源泉徴収制度を導入

(フランス)

パリ発

2019年01月29日

2019年1月から、フランスで所得税の源泉徴収制度が導入された。フランスの所得税は従来、世帯ごとの自己申告制のため、源泉徴収への移行が円滑に行われるか懸念されたが、現在のところ、大きな混乱はみられない。

源泉徴収は、オランド前政権が行政手続きの簡素化や近代化の一環として、2016年に2018年導入を決定した。しかし、日本の経団連に相当するフランス企業運動(MEDEF)が「企業は税金の徴収機関ではない、特に中小企業に対する財政的負担が大きい」と反対したため、マクロン大統領は制度変更のために1年間の準備期間が必要と判断、同制度の導入を2019年に延期していた。

行動・公会計省が導入に向けた実質的な試験を進めていたところ、マクロン大統領は2018年8月30日、システム上に問題があるとして「最終的に(2019年に開始するか)決定する前に、問題となる全ての質問に答えるよう担当大臣に求めた」と、導入中止の可能性も示唆していた。購買力の低下が問題視される中、源泉徴収によって給与の手取り額が減ることに対する心理的なマイナス面への危惧もあるとされた。最終的にはフィリップ首相が9月4日、大統領との協議の上、「源泉徴収を予定どおり2019年1月に開始する」と発表した。

1月1日から施行された源泉徴収制度に、大きな技術的問題は起こっていないものの、納税者からの問い合わせが多く、電話がなかなかつながらない状況になっている。給与所得者の源泉徴収が行われる月末が山場となるが、ブルノ・マラン公財政局長は「これまでのところ問題はない。今後もうまく行かない理由はない」と保証する発言をした。「フィガロ」紙(1月19日)によると、フランスの給与所得者のうち、1,400万人が源泉徴収の課税対象者、1,100万人が非課税者となっている。

これに対し、公財政局の労働組合が加盟するフランス労働総同盟(CGT)のアレクサンドル・ドゥリニ副事務局長は「問題ないと評価するのは時期尚早だ。プログラムの大きなエラーより、小さな問題の積み重ねがシステムの不具合となる」と述べた。CGTは、他の組合などと共同で、1月からの過度の勤務を理由に、1月28日から2月5日までのストを予告通知した。

(奥山直子)

(フランス)

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