2018年乗用車販売、日系シェアは2年連続拡大で18.8%に上昇

(中国)

上海発

2019年01月22日

自動車業界団体の中国汽車工業協会の発表(1月14日)によると、2018年の国内乗用車販売台数は前年比4.1%減の2,371万台だった。販売低迷の原因としては、小型車購入税優遇策の廃止と景気減速のほか、米中貿易摩擦や消費者心理の悪化などが挙げられている。

乗用車市場全体が縮小している中で、日本、ドイツ、韓国ブランドが好調な一方、中国、米国、フランス車は低迷と明暗が分かれた(表1参照)。とりわけ、フォードやゼネラルモーターズ(GM)など米国勢の販売台数は前年比18.5%減の大幅減となり、市場シェアも1.8ポイント低下し10.5%となった。一方、日系車の販売台数は前年比5.7%増と、主要6カ国で最も高い伸びを示し、市場シェアも2016年の15.6%、2017年の17.0%から18.8%と2年連続で拡大している。

表1 中国の2018年乗用車の国別ブランド販売概況

上海の輸入車では日本のみプラス成長

政府系シンクタンクの上海市信息中心は2019年1月15日、2018年の上海市自動車登録概況を発表した。自家用車のナンバープレート取得に対する総量規制があるため、自動車の年間登録台数は前年並みの約50万台だったが、高級セダンやミニバン(MPV)の登録伸び率は全体を上回った(表2参照)。ナンバープレート取得費が高額なため、庶民層の購買力は抑制された一方、「一人っ子政策」の廃止が家族数の増加につながり、セダンよりも高額で大きなミニバンに対する需要は増えている。

表2 上海市の2018年の自動車登録概況

一方、輸入乗用車の登録数は前年比5.0%減だった。うち、日本からの輸入車は10.7%増と、輸入9カ国の中で唯一の成長国になった。

(劉元森)

(中国)

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