メルセデス・ベンツ、EV用バッテリー工場を南西部ヤボルに建設と発表

(ポーランド)

ワルシャワ発

2019年01月30日

ドイツ自動車大手ダイムラーは1月22日、メルセデス・ベンツのバッテリー工場をドイツ国境から約100キロ離れたポーランド南西部の都市ヤボルに建設すると発表した。同社は2022年までにメルセデス・ベンツのポートフォリオ全体に電気自動車(EV)を取り入れ、各セグメントで、既存の自動車の代替の選択肢として、さまざまなEVを提供できるようにする。新たに建設されるバッテリー工場は、バッテリーの組み立てに特化し、バッテリーの重要な部品であるセルは外部から調達することにより、最良の技術を確保するとしている。EVに特化したサブブランド「EQ」向けのバッテリー生産は、2020年代初頭の計画としている。

今回バッテリー工場建設が発表されたヤボルの拠点では、メルセデス・ベンツのポーランド初のエンジン(注)工場建設が2017年から進められ、2019年の稼働が予定されている。エンジン工場建設により、1,000人以上の雇用が創出される。今回発表されたバッテリー工場の建設では、さらに300人程度の雇用が創出される見込み。

ポーランドでは、EV用バッテリー工場の建設発表が相次いでいる。韓国のLG化学はブロツワフ近郊にEV用のリチウムイオン電池工場を立ち上げ、2018年から生産を開始している。2018年9月には、ベルギーのユミコアが南西部のニサに、主にEV向けのリチウムイオン電池に使用される陰極を製造するための工場を立ち上げ、2020年末から生産を開始すると発表。2018年10月には、スウェーデンのリチウム電池メーカー、ノースボルトがサウスベイソリューション(米国、カリフォルニア州フリーモント)と共同で、EV用バッテリーを生産する工場をポーランド北部のグダンスクに建設すると発表(2018年11月6日記事参照)している。

(注)ガソリン車、ディーゼル車、ハイブリッド車向けの4気筒エンジン。

(深谷薫)

(ポーランド)

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