ノースボルト、ポーランドにEV用電池の製造拠点設立へ

(スウェーデン、ポーランド)

ブリュッセル発

2018年11月06日

スウェーデンのリチウム電池メーカー、ノースボルトは10月22日、欧州で拡大するバッテリー需要に対応するため、サウスベイソリューション(米国、カリフォルニア州フリーモント)と共同で、電気自動車(EV)用バッテリーを生産する工場をポーランド北部のグダンスクに建設すると発表した。

ノースボルトは、EU域内企業によるEV用電池の生産を目指す「欧州バッテリー同盟(EBA)」の下、欧州投資銀行(EIB)から融資を受けるなど、注目を浴びる新興企業(2018年2月27日記事参照)。一方、サウスベイソリューションは、テスラやロッキード マーティンなどを顧客とし、半導体や自動車のシャシーなど、幅広い産業を対象として、溶接や研削などの部品の加工や、複雑な組み立て加工などを請け負う企業だ。欧州企業が製造する電池をEV生産のサプライチェーンに組み込むことを目的とするEBAの下、欧州企業によるプロジェクトが相次ぐ(2018年10月17日記事参照)中でのEU域外企業の参入となる。

新工場では、約100人を雇用し、電池セル、制御システム、温冷却装置などで構成されるバッテリーシステムを生産するほか、研究開発(R&D)センターも併設される。年間生産能力は1万ユニットで、2019年の稼働を見込む。

将来的には、化学産業のカテゴリーに入る電池セル自体の生産は、ノースボルトがスウェーデン北部のシェレフテオ工場で行い、機械・電気機械産業のカテゴリーとなるバッテリーシステムの組み立ては、今回発表された新工場で行われることになる。

プレスリリースによれば、ノースボルトは新しい工場の建設によって、電気・電子情報技術と機械技術を融合させたエレクトロ・メカニカル産業へ参入しつつ、大陸側のサプライチェーンや顧客に近づき、かつ、優秀な人材を雇用することが可能になると、工場設立の理由を説明した。

(大中登紀子)

(スウェーデン、ポーランド)

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