メルコスール首脳会合、域内統合の重要性を再確認

(メルコスール、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイ、ブラジル)

ブエノスアイレス発

2019年01月04日

メルコスール首脳会合が、2018年12月18日にウルグアイで開催された。社会的包摂を伴う経済発展に向けた域内統合の深化、対外通商交渉の進展、域内統合プロセスにおける民主的な制度などの強化の重要性、などが確認された。

最終コミュニケでは、化学分野製品に対する対外共通関税率の大幅な引き下げを承認したことについて触れられた。加えて、対外通商交渉に関しては、現在進行中のEUとの交渉について、自由貿易協定(FTA)締結の早期実現を再確認するとともに、欧州自由貿易連合(EFTA)およびカナダとの交渉の進展、韓国およびシンガポールとの交渉に向けた第1回会合の開催、ユーラシア経済連合との覚書の調印と、各交渉の成果を強調した。そのほか、メルコスール域内の不均衡性を克服するための主要な手段として、メルコスール構造統合基金(FOCEM)の役割を強調し、自由で安全な域内のデジタル市場の発展に向けた計画の導入についても言及された。

2018年下半期の議長国ウルグアイのタバレ・バスケス大統領は、議長国期間中における各取り組みに進展がみられたとしつつも、一部プロセスに遅れがあると振り返り、次期に引き継ぐと語った。

今回の首脳会合で、議長国を引き継いだアルゼンチンのマウリシオ・マクリ大統領は、アルゼンチンではメルコスール域内の統合は重要であることを確信しているとし、オープンで世界と統合したメルコスールを引き続き目指していく意気込みを語った。

なお、今回の首脳会合には、ウルグアイのバスケス大統領、アルゼンチンのマクリ大統領、ブラジルのテーメル大統領、パラグアイのベニテス大統領のほか、ボリビアのモラレス大統領も出席した。

(高橋栞里)

(メルコスール、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイ、ブラジル)

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