大統領選、第1回の公開討論会を実施

(インドネシア)

ジャカルタ発

2019年01月28日

4月17日に投開票されるインドネシア正副大統領選挙の候補者による第1回の公開討論会が1月17日、ジャカルタ市内のホテルで開催された。現職大統領で再選を目指すジョコ・ウィドド氏と、最大野党グリンドラ党党首のプラボウォ・スビアント氏が、それぞれの副大統領候補とともに出席し、法・人権、汚職、テロをテーマに討論を行った。

法・人権のテーマでは、プラボウォ陣営を支持するインターネット動画を流した東ジャワ州の村長が選挙法違反の容疑で逮捕された件について、プラボウォ氏は、表現の自由の侵害だと指摘した。逆にジョコ氏は、プラボウォ氏支持者がでっち上げた暴行事件に言及し、フェイクニュースを世間に流布したことを指摘した。汚職に関しては、ジョコ氏が公務員の登用に当たり、縁故主義や金銭が絡む余地をなくし、透明性を持って優秀な人材を選ぶことが重要だと主張した。これに対し、プラボウォ氏は、公務員の給与が低いことが問題だとし、自身が国のリーダーになれば、公務員の生活の質を引き上げると主張した。また、ジョコ氏は、グリンドラ党員6人が元汚職犯であるにもかかわらず、総選挙に立候補していることを取り上げ、プラボウォ氏の責任を追及した。

討論会では、各陣営の副大統領候補もそれぞれ意見を述べた。プラボウォ陣営のサンディアガ・ウノ氏は、障害者の人権に関して、個人の能力に応じて全ての人に就業機会が与えられるべき、と主張した。ジョコ陣営のマアルフ・アミン氏は、テロリズムに関して、自身が議長を務めるインドネシア・ウラマ評議会(MUI)は、聖戦(ジ・ハード)ではなく、禁忌行為(ハラム)に当たるという宗教令を出している、と述べた。

公開討論会はテレビ中継された。今回の討論会を皮切りに、インドネシア選挙管理委員会(KPU)は、異なるテーマで、全5回の公開討論会を予定している。

(山城武伸)

(インドネシア)

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