遼寧省、2018年のGRP成長率は5.7%に加速

(中国)

大連発

2019年01月30日

遼寧省統計局の1月23日の発表によると、同省の2018年の域内総生産(GRP)は、前年比5.7%増の2兆5,300億元(約40兆4,800億円、1元=約16円)となり、前年の4.2%増から1.5ポイント上昇した(表参照)。東北3省では、遼寧省が最も高い成長率となった。

表 遼寧省の2018年通年の主要経済指標

産業別では、工業生産が引き続き好調だった。一定規模以上の企業(注)の工業付加価値額は前年比9.8%増となり、全国で3番目に高い伸び率だった。石油化学工業(15.1%増)、設備製造業(9.4%増)が工業付加価値額の伸びにそれぞれ4.1ポイント、2.7ポイント寄与したほか、ハイテク製造業(19.8%増)、冶金(やきん)工業(7%増)、農産品加工業(4.6%増)も前年より増加した。

貿易総額は、前年比11.8%増の7,545億9,000万元だった。うち、輸出額が5.7%増の3,214億9,000万元、輸入額が16.8%増の4,331億元となった。輸出相手国・地域別では、日本向けが7.8%増の647億元、EU(28カ国)向けが12.1%増の450億2,000万元、米国向けが8.4%増の385億3,000万元だった。輸出品目別では、機電製品が18.2%増の1,433億6,000万元、ハイテク製品が26.7%増の476億元、鋼材が0.9%増の384億7,000万元、農産品が2.2%増の339億2,000万元、船舶が8.6%増の131億3,000万元となった。

固定資産投資総額は前年比3.7%増だった。産業別では、製造業への投資額が20.3%増と伸びが大きかった。また、社会消費品小売総額は6.7%増の1兆4,142億8,000万元だった。

遼寧省の唐一軍省長は2019年1月16日の政府活動報告の中で、「遼寧省の経済は既に最も困難な時期を抜け出し、安定かつ健全な成長の軌道に入った」とした。他方、同省経済の課題として、経済成長の新たな動力が未発達なこと、固定資産投資額の伸び率の鈍化、大型の産業プロジェクトの蓄積が少ないこと、地域間の発展の不均衡、民営経済やサービス産業の発展が不十分なことなどを挙げた。2019年の同省のGRP成長率の目標としては、全国平均と同水準を保つことを掲げた。

(注)その年の主な業務による売上高が2,000万元以上の工業企業。

(匂坂拓孝、呉暁東)

(中国)

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