モンゴル・ロシア・中国経済回廊を活用したトランジット輸送が本格化

(モンゴル、ロシア、中国)

北京発

2019年01月31日

鉄道貨物物流における、モンゴル・ロシア・中国経済回廊を活用した通過(トランジット)輸送が本格化している。モンゴルの鉄道貨物輸送のうち、モンゴル経由で中国とロシア・欧州を結ぶ通過(トランジット)輸送量は、2018年に前年比8.9%増の336万5,000トンとなり、モンゴルの鉄道貨物輸送量全体の13.1%を占めた(表参照)。

表 モンゴルの鉄道貨物輸送量の内訳

モンゴル経由ルートは、中国の「一帯一路」構想におけるモンゴル・ロシア・中国経済回廊に相当し、鉄道貨物輸送では、東回廊(中国の内モンゴル自治区の満州里~ロシアのザバイカリスク経由)、西回廊(中国の新疆ウイグル自治区の阿拉山口~カザフスタン経由)に次ぐ第3の柱に育ちつつある。2018年12月にはウランバートルで、モンゴル、ロシア、中国の閣僚級によるモンゴル・ロシア・中国経済回廊プログラムの実行に関する会議が開催されるなど、同ルートの活用促進に向けた動きが進んでいる。

モンゴル国家統計局の発表によると、2018年のモンゴルの貨物輸送量は前年比29.4%増の6,984万トンだった。このうち、トラック貨物が41.4%増の約4,414万トン、鉄道貨物が12.9%増の約2,570万トン、航空貨物が2.0%増の約3,146トンだった。トラック貨物の増加は、2018年に資源輸出が好調だったことによるとみられる。

また、総輸送収入は前年比17.2%増の約1兆6,667億トゥグルク(約700億円、1トゥグルク=約0.042円)だった。このうち、トラック・バス輸送収入が24.0%増の約6,278億トゥグルク、鉄道輸送収入が16.3%増の約6,165億トゥグルク、航空輸送収入が9.5%増の約4,222億トゥグルクだった。人件費上昇による運賃引き上げや、資源輸出の増加、輸入の増加などが、輸送収入拡大の要因に挙げられる。

(藤井一範)

(モンゴル、ロシア、中国)

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