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メイ首相、議会でのブレグジット合意否決を受け超党派での議論を提案

(英国、EU)

ロンドン発

2019年01月16日

英国のEU離脱(ブレグジット)をめぐる英国議会での採決が1月15日夜に行われ、賛成202票、反対432票の歴史的大差で否決された。テレーザ・メイ首相ら現政権の懸命の働き掛けを経てもなお、EU離脱派、親EU派を問わず多数の議員が政府の合意内容に強く反発している現状が浮き彫りになった。

賛成202票の内訳は、保守党196票、労働党3票、無所属3票で、反対票は保守党118票、労働党248票、与党・保守党に閣外協力する民主統一党(DUP)10票などとなった。保守党からの造反は、党内で2018年12月に行われたメイ首相への信任投票で不信任を投じた117票を上回った(2018年12月13日記事参照)。ジョン・バーコー下院議長は採決に先立ち、議員から提出された離脱協定に対する修正動議を4つに絞り込んだが(2019年1月15日記事参照)、このうち最大野党労働党のジェレミー・コービン党首らが提出したものを含む3つの動議は、政府合意の即時採決を狙い採決前に各提出者が取り下げた。保守党のEU離脱強硬派のジョン・バロン議員が提出した、EUの同意なく英国が一方的に北アイルランドとアイルランド間のバックストップを解除できるようにする修正動議は否決され、政府合意は元の内容のまま採決に持ち込まれ、否決された。

メイ首相は投票後に議会で短く演説し、(1)政府への信任投票を受けるべく16日に審議時間を確保すること、(2)政府が信任されれば野党幹部議員も含め打開策を協議すること、(3)EUと交渉可能かつ議会多数を確保し得る案ができれば、その実現を模索すること、の3点を確約。併せて先週可決された修正案を尊重し(2019年1月10日記事参照)、1月21日までに政府の新たな方針を提示し、修正可能な動議を提示することを明言した。離脱延期や議会解散は直ちには求めず、議会での合意形成とEUとの再協議を経て、予定通り3月29日に円滑な離脱を実現する決意を示したことになる。しかし、議会はEU離脱強硬派、関税同盟・単一市場残留による穏健な離脱を希望する勢力、2度目の国民投票を支持する勢力などに分裂しているため、合意に至れるかはなお予断を許さない。

メイ首相の演説の後、コービン党首は政府不信任動議の提出を明言。これを受け、1月16日に審議・採決が行われることとなった。一方、反対票を投じた与党内EU離脱強硬派の主な議員やDUPは、先月のメイ首相への不信任動議の時と同じく(2018年12月18日記事参照)、早々に政権支持を表明しており、動議が可決される可能性は低いとみられている。

(宮崎拓)

(英国、EU)

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