2018年インフレ率は47.6%、1991年以来の高水準を記録
(アルゼンチン)
ブエノスアイレス発
2019年01月24日
国家統計センサス局(INDEC)は1月15日、2018年12月の消費者物価指数上昇率(インフレ率)が前月比2.6%になったとし、2018年の通年のインフレ率の確定値を47.6%と発表した。年間インフレ率は、84%を記録した1991年以来の高水準となった(注)。4月以降の為替の不安定さがインフレ率をここまで引き上げた主な要因といえる。
インフレ率を産業別に前年比でみると、「交通」(66.8%)の上昇幅が最も大きく、次いで「通信」(55.3%)、「食品・飲料(酒類を除く)」(51.2%)、「医療・健康」(50.2%)、「家財道具・住宅管理」(50.0%)となった(表参照)。交通料金は、前政権期に国庫から補助金が多く充てられており、緊縮財政政策の達成に向け、補助金の削減対象となっていた。
2019年のインフレ率について民間エコノミストは、2018年12月末に発表された公共サービス料金と交通料金の値上げにより、今後数カ月間は、月間インフレ率を2%以下に保つのは難しいとしている(「クラリン」紙1月15日)。また、1月3日に中央銀行が発表した現地民間エコノミストによる最新経済見通しの集計値(REM)は、2019年のインフレ率を28.7%と予測しており、政府が発表した2019年の予算法案に示されている23%を超える値となっている。
(注)アルゼンチンでは統計当局が公式発表を控えた年もある。
(高橋栞里)
(アルゼンチン)
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