11月のCPIは前月比で横ばい、コア指数は0.2%上昇

(米国)

ニューヨーク発

2018年12月18日

米国労働省が12月12日に発表した2018年11月の消費者物価指数(CPI)は、前月比(季節調整値)で横ばい(0.0%上昇)となった(10月:0.3%上昇)。家賃(上昇率:0.3%)や中古車(2.4%)などが押し上げに寄与した一方で、ガソリン(下落率:4.2%)などが押し下げ要因となった。変動の大きいエネルギーと食料品を除いたコア指数は、前月比0.2%上昇した。

石油価格の下落がCPIとコア指数の伸びの差に影響

米国連邦準備制度理事会(FRB)などが重視しているエネルギーと食料品を除いたコア指数を品目別にみると、衣類(前月比:0.9%下落)や輸送サービス(0.3%下落)などが押し下げ要因になったものの、前月に引き続き、家賃や中古車などが押し上げに寄与した。

前年同月比についてはCPIが2.2%上昇となり、10月(2.5%上昇)から伸びが鈍化した。一方で、コア指数は2.2%上昇と、10月(2.1%上昇)より上昇幅が拡大した。

コア指数に含まれない食料品は、前年同月比1.4%上昇(10月:1.2%上昇)と前月より上昇幅が拡大した一方で、エネルギーは3.1%上昇(10月:8.9%上昇)と前月から大幅に伸びが鈍化したことから、CPIとコア指数の上昇幅は同じになった。

ムーディーズ・アナリティクスのリアルタイム経済担当ディレクターのライアン・スイート氏は、コア指数が上昇したことなどを受け、12月18~19日に予定されている次回の連邦公開市場委員会(FOMC)において追加利上げの可能性がより高まったとする一方で、「エネルギー価格や期待物価上昇率の低下によって、FRBの物価見通しが下振れするリスク」があり、将来の利上げペースが緩やかになることも考えられると指摘した(「ブルームバーグ」12月12日)。

(樫葉さくら)

(米国)

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