三井物産がアルゼンチン南部の風力発電事業に出資参画

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2018年12月21日

三井物産は12月14日、アルゼンチン南部の風力発電事業に出資参画することを発表した。フランスのエネルギー大手トタル傘下の再生可能エネルギー発電事業会社トタル・エレン(Total Eren)から、アルゼンチン南部で風力発電事業を推進するビエントス・ロス・エルクレス(Vientos Los Hercules)の株式34%を、投資子会社を通じて取得した。

事業内容は、ブエノスアイレスの南西約1,500キロに位置するサンタクルス州ピコ・トルンカド市付近の350ヘクタールの敷地に、総発電容量97.2メガワット(MW)の風力発電設備を建設し、20年間にわたりアルゼンチン卸電力市場運営会社のカメサ(CAMMESA)にドル建てで売電するというものだ。総事業費は約2億2,000万ドルで、2019年半ばの商業運転開始を予定している。プレスリリースによれば、今回の参画は三井物産にとってアルゼンチンにおける初の発電事業となる。

アルゼンチン三井物産の山口尚社長は「経済が混乱状態にある中でも、アルゼンチンのビジネス環境には変化がみられる」とし、再生可能エネルギーと農業に焦点を当てながら、アルゼンチンでの事業展開を積極的に進めていきたいとしている(「クラリン」紙12月14日)。

アルゼンチン政府は、2015年に再生可能エネルギー源利用のための国家促進制度を改正し、2025年までに国内の再生可能エネルギー供給率の20%達成を目指している。この目標に向け、再生可能エネルギーの国際入札プログラム「RenovArプログラム」では、これまでにラウンド1、1.5、2と3回にわたって入札が実施され、太陽光・風力・バイオマス・小規模水力など、総出力4,466.5MWの計147プロジェクトが落札された。現在はラウンド1、2と比べて小規模の400MWでラウンド3の入札が2018年11月から実施されている。2019年4月に札入れ、6月に開札、8月に契約というスケジュールになっている。

(高橋栞里)

(アルゼンチン)

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