2018年の再生エネルギー導入状況を発表、シェアは38%に

(ドイツ)

デュッセルドルフ発

2018年12月27日

連邦エネルギー・水道事業連合会(BDEW)とバーデン・ビュルテンベルク州太陽エネルギー・水素研究センター(ZSW)は12月13日、2018年の国内電力消費量に占める再生可能エネルギーの割合が38%(速報値)に達すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

内訳をみると、陸上風力が16%と、前年に引き続き最も大きい割合を占めたほか、バイオマス、太陽光がそれぞれ8%で続いた。洋上風力と水力のシェアはそれぞれ3%だった(表参照)。洋上風力発電由来の電力消費量は前年比で約10%増加、一方、水力発電由来の電力消費量は降水量の減少の影響を受け、16%減少した。

表 ドイツの国内電力消費量に占める再生可能エネルギーの割合(2018年12月現在の速報値)

BDEWのシュテファン・カプフェラー会長は、再生可能エネルギーの導入が継続して拡大していることを評価する一方、「2030年までに再生可能エネルギーの割合を65%まで伸ばす目標の達成には、現在のペースは十分とはいえない」とし、さらなる導入に期待感を示した。具体的な施策として、洋上風力の一層の導入に向けた施策や、陸上風力の建設プロジェクトの計画、投資への十分な保護、国内送電網の早急な建設などを挙げた。また、ZSWの執行役員であるフリトヨフ・シュタイス氏は、蓄電技術やエネルギー需要マネジメントといった「グリーン電力の供給量を市場の需要量と一致させるための柔軟性の高いオプション」の導入が必要だと指摘したほか、熱供給分野や交通分野で二酸化炭素排出量の削減に向けた方針が打ち出されることに期待感を示した。

一方、内閣は12月12日、送電網建設を加速するための改正法案(NABEG-Novelle)を閣議決定外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。送電網の拡充が遅れている理由の1つとして「許認可に要する時間」が指摘されていることを受け、手続きの簡素化などの施策を盛り込んだもの。ペーター・アルトマイヤー経済・エネルギー相は「送電網はドイツが掲げるエネルギー転換政策(Energiewende)の根幹」と指摘した上で、法改正により国内送電網の拡充がさらに加速することに期待感を示した。

(ベアナデット・マイヤー、森悠介)

(ドイツ)

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