河北省が沿岸都市の開放加速計画を発表、秦皇島港を「自由貿易港」に転換

(中国)

北京発

2018年12月28日

河北省政府弁公庁は、「沿岸都市の開放加速に向けた実施計画」(以下、同計画)を発表した。同計画の対象エリアは同省の沿海部に位置する秦皇島市、唐山市、滄州市の3市で、港湾の整備などを通じ、2020年までに河北省の経済発展の質を高める。

同計画は2020年までの目標として以下の4つを定めた。

  1. 3市の域内総生産(GRP)を合わせて1兆5,000億元(約24兆円、1元=約16円)に引き上げ、GRPの年間平均成長率を7.0%前後に保つ。
  2. 3市合計の外資導入額を河北省全体の40%以上、貿易額を45%以上にそれぞれ高め、3市合計の港湾のコンテナ取扱量を500万TEU(20フィートコンテナ換算)以上にする。
  3. 3市のハイテク産業が各市の付加価値ベースの工業生産額(一定規模以上の企業)に占める割合を20%以上に、3市のサービス業が各市のGRPに占める割合を45%以上とする。
  4. 各市の自然海岸率が35%を下回らない。

目標達成に向けた施策としては、港湾機能の国際化の推進、質の高い開放型産業システムの構築、交通インフラ整備、などを挙げた。このうち、秦皇島港は、貨物輸送を主とするエネルギーの集散港から貨客両方を扱う「自由貿易港」への転換を進める。唐山港は、伝統的な荷下ろし港から国際的な大規模貿易港への転換を目指し、原油や液化天然ガス、液化化学品向けの埠頭(ふとう)やコンテナ施設などの建設を進める。滄州市の黄驊港は、コンテナ中継輸送や自動車運搬船(RORO船)のための埠頭を建設し、雄安新区など内陸部の地域からの利便性を向上する。

また、秦皇島市ではアルミ製自動車部品、唐山市ではロボット・軌道交通設備、滄州市ではレーザー設備製造の産業基地および産業園区を建設する。電子情報、新エネルギー、新材料、バイオ製薬などの戦略的新興産業を大きく発展させるとともに、物流、金融、貿易、アウトソーシングなどサービス業についての開放を拡大する。

計画の詳細はウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで確認できる。

(注)交通運輸部の統計によれば、2018年1~11月のコンテナ取扱量は秦皇島港が53万7,600TEU、唐山港が269万3,200TEU、黄驊港(滄州市)が66万6,500TEU。

(趙薇)

(中国)

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