第3四半期の実質GDP成長率は1.5%に減速

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2018年12月18日

連邦国家統計局は12月12日、2018年第3四半期(7~9月)の経済活動別の実質GDP成長率(速報値)を発表した。第3四半期は1.5%成長とロシア中央銀行の予測内(1.3~1.7%)だったものの、第2四半期に比べ減速した(表参照)。

表 ロシアの主要経済指標〔前年(同期)比〕

生産面では、鉱工業生産は前年同期比2.9%増と好調を維持しており、うち鉱業は、原油生産が9月にソ連崩壊以降で最高日量を記録したことから、4.9%増と大きく伸びた。製造業は航空宇宙機器の生産が大きく落ち込み、2.2%増と第2四半期に比べ減速した。農業生産は、前年の大豊作に比べ穀物や豆類の収穫が振るわず、6.1%減で経済成長減速の要因となった。

消費面では、小売商品売上高が前年同期比2.6%増と6期連続でプラスを記録した。他方、実質可処分所得は0.4%減と半年ぶりにマイナスに転じた。消費者物価上昇率は前年末比で2.5%。失業率は4.6%と前期に引き続き四半期ベースでソ連崩壊以降の最低記録を更新した。

ロシア中銀は12月4日に発表した経済状況に関するレポートで、ロシア経済は本来のポテンシャルに近い成長をみせており、2018年通年の経済成長率は1.5~2.0%、うち最終消費支出は2.5~3.0%、総固定資本形成は1.5~2.0%になると予測した。

(戎佑一郎)

(ロシア)

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