投資家らへの最長10年間の居住ビザ発給の細則を発表

(アラブ首長国連邦)

ドバイ発

2018年12月11日

アラブ首長国連邦(UAE)で、2018年5月に内閣が承認した投資家や専門家らへの新しいビザ制度の細則が11月24日、内閣で承認された。以下の条件を満たす投資家や起業家、特別な技能者、研究者らとその配偶者、子供に、これまで原則2年だった居住ビザの有効期限を5年または10年に延長する。

投資家は5年または10年

UAE国内において500万ディルハム(約1億5,300万円、1ディルハム=約30.6円)以上の資産を有する投資家には5年間の居住ビザが発給される。

企業設立、ビジネス提携などを通じた投資が1,000万ディルハム以上、もしくはさまざまな分野で1,000万ディルハム以上の投資があって不動産投資はその4割未満であることのいずれかを満たす投資家には10年間の居住ビザが発給される。

いずれも条件として、借り入れなどではなく投資家の所有する資産であること、それを証明する書類があること、また少なくとも3年保有している資産であることなどが定められている。

起業家は5年

UAE国内において50万ディルハム以上のプロジェクトを実施、もしくはUAE国内の認可を受けたインキュベーターに承認された起業家には5年間の居住ビザが発給される。また、条件を満たせば投資家ビザにアップグレードされる可能性もある。このビザは起業家本人だけでなく、パートナーや3人までの役員とその配偶者、子供にも適用される。

特別な技能者は10年

科学や学術分野での専門家(医者、科学者、発明家など)や、文化や芸術分野のクリエイティブな人材とその配偶者、子供を対象とする。いずれの職種も、まずはUAE企業との雇用契約書を締結する必要がある。その上で、科学者、クリエイティブ人材、発明家らは各所管省庁での認可を受けなければならない。医者や各分野のスペシャリストは、世界の上位500大学での博士号取得、受賞歴、論文発表など7つの定められた条件から2つ以上を満たす必要がある。併せて、優秀な成績を収めている学生にも5年間の居住ビザを認めると発表されている。

この制度は、外資100%出資での法人設立承認とともに、UAEにより多くの投資と技能人材をもたらすとして注目を集めている。

(山本和美)

(アラブ首長国連邦)

ビジネス短信 d1bad532c5c38938