2019年の経済成長は1.6%に減速、ドイツ連邦銀行が見通し

(ドイツ)

ベルリン発

2018年12月28日

ドイツ連邦銀行(中央銀行)は2018年12月14日に発表した経済予測外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、2019年の実質GDP成長率を1.6%とし、6月発表の前回予測から0.3ポイント下方修正した。下方修正の要因として、2018年第3四半期における予想外のマイナス成長(2018年12月3日記事参照)を挙げた。

2018年のGDP成長率は1.5%の予測で、前年より1.0ポイント低下。内需(最終消費支出、総固定資本形成)が大きく減速したことによる。最終消費支出減速の要因としては、2018年第3四半期から既存モデル車に対しても新たな計測方法「乗用車などの国際調和排出ガス・燃費試験法(WLTP)」に基づく排出ガス基準値順守を求められたが、自動車メーカーの対応の遅れから、新車販売量が減少したことが挙げられる。

表 ドイツの主要経済指標

2019年の消費者物価指数(CPI)上昇率は1.4%と、2018年の1.9%に比べ低下する見込みだ。2018年に物価上昇の要因となったエネルギーや生鮮食品の価格上昇率が減速することが、2019年の低下の要因とみている。

2019年の貿易の動向をみると、輸出は拡大が見込まれ、前年比2.9%増とする。一方、輸入は4.7%増と、引き続き輸出を上回る伸び率になる見通し。ただし、輸出において、2019年の伸びは2018年の自動車輸出の落ち込みからの回復が影響しており、それを除くと比較的緩やかな成長が続く見込みだ。

ドイツ連邦銀行は経済成長のリスク要因も挙げており、今後の国際貿易関係や英国のEU離脱問題の予期せぬ進展が経済予測から逸脱させる可能性がある、と分析している。

(油井原詩菜子)

(ドイツ)

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