11月の輸出額は前年同月比0.8%増、輸入額は4.3%増

(インド)

チェンナイ発

2018年12月26日

インド商工省は12月14日、2018年11月の貿易統計(速報値)を発表した。輸出額は前年同月比0.8%増の265億ドル、輸入額は4.3%増の431億7,000万ドルと、いずれも増加した。貿易収支は166億7,000万ドルの赤字となり、前年同月の赤字額(151億ドル)より10.4%拡大したが、2018年10月(171億3,000万ドル)比では、国際的な原油価格の急落などを背景に2.7%縮小した。

輸出額の上位2品目である、石油製品、宝石・宝飾品以外の品目の輸出額は185億7,000万ドルで、前年同月比で3.9%減少した。主な輸出品目では、有機・無機化学品が12.3%増、医薬品・精製化学品が3.2%増、綿糸・布・手織品などが9.0%増、電子機器が37.1%増と伸びた一方で、エンジニアリング製品は16.4%減となった。

原油・石油製品の輸入額は前年同月比41.3%増

最大の輸入品目である原油・石油製品の輸入額は134億9,000万ドルで、前年同月比で41.3%増加した。一方、原油・石油製品以外の輸入額は296億8,000万ドルで、前年同月比で6.8%減少した。主な輸入品目では、電子機器が0.3%増、機械・器具が7.7%増、石炭が12.5%増、有機・無機化学品が10.8%増と伸びがみられた一方で、真珠・貴石が46.2%減、輸送機器が21.8%減、金が15.6%減となり、輸入額全体の伸び率は2018年4月以来、7カ月ぶりに1桁台となった。

足元では原油価格上昇の可能性も

2018年10月以降、原油価格の主要指標の1つである、ブレント原油価格は30%超下落した。地場格付け会社ICRAのアディティ・ナイヤー首席エコノミストは「原油価格がこのまま安定すれば、年度末までの平均的な貿易赤字は毎月140億ドル程度で推移するだろう」と分析している(「ライブミント」紙12月14日)。一方で、OPEC加盟国とロシアなどの非加盟国は12月7日、日量120万バレルの原油減産を目標に、2019年1月から6月まで協調減産を続けることに合意し、今後の原油価格上昇の可能性が指摘されている。

(榎堀秀耶)

(インド)

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