ミャンマー新車市場の拡大を支える自動車ローン

(ミャンマー)

ヤンゴン発

2018年12月25日

ミャンマー自動車協会(Automotive Association of Myanmar)によると、2018年1~10月の新車販売台数は約1万3,400台で、前年同期比2.1倍となっている(2018年11月29日記事参照)が、この好調な新車販売を後押ししているのが自動車ローンだ。自動車ローンを扱う自動車販売金融事業には地場銀行が携わっており、銀行関係者によると10社ほどが事業展開しているとのことだ。

ミャンマー自動車製造・販売者協会(MAMDA)によると、現在、新車購入者の約80%が自動車ローンを利用しているという。ミャンマー人の所得が増えるにつれて、自動車ローンの利用で新車を購入できる層が広がっている。自動車ローン利用者を取り込むため、銀行間の競争も始まっている。頭金の優遇、返済期間の長期化、審査時間の短縮などで差別化を図っている。銀行関係者によると、返済期間はこれまで5年が最長だったが、今般、スズキが新モデルの「スイフト」を投入した機会を捉え、新たに最長7年の返済プランを提供するところも出てきた。月々の返済額を低めに抑えることで、これまで自動車に手の届かなかった新規購買層を開拓している。

自動車ローンを提供する地場銀行が切磋琢磨(せっさたくま)し、顧客がより購買しやすい環境が整いつつある中で、市場シェアの高い日本車を中心とした新車販売が、今後ますます伸びていくことが期待される。

(草苅貴)

(ミャンマー)

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