フィンテックで世界の中心へ

(英国)

ロンドン発

2018年12月07日

フィンテックの国際展示会「フィンテック・コネクト」(FinTech CONNECT) が12月5~6日、ロンドンで開催された。60カ国から175社以上の企業がブースを出展し、来場者に自社のフィンテック技術を紹介した。

日本企業では、仮想通貨の管理技術を持つギンコ(Ginco)と、トレーディングの市場予測にAI(人工知能)技術を活用するアルパカ(Alpaca)が英国の国際通商省(DIT)のブースに参加した。両社は日本で開催されたフィンテックのコンテスト(FIN/SUM×REG/SUM)に参加し、審査を担当した在日英国大使館とスコットランド国際開発庁とのつながりを作る中で、今回の展示会参加を決めた。英国市場は、スタートアップが成長する土壌があることや、規制が柔軟である点、フィンテックが既に浸透し受け入れられやすいことなどが魅力だという。展示会では250社以上の代表者が講演やパネルディスカッションを行い、金融とテック業界をまたぐ広範囲の情報や商談の場となった。

英国政府は2018年3月に「フィンテック・セクター戦略」を発表している。戦略では、規制緩和や優秀な人材の確保、インキュベーターとの提携など、企業のニーズに応えた支援を実施する。また、都市部に限らない全国的なフィンテックプログラムの実施や、財務省やイングランド銀行(中央銀行)などによる仮想通貨などの暗号資産タスクフォースを立ち上げることで、政府のコミットを強化し、新たなビジネス機会の創出につなげることも目的としている。

英国には金融サービスが集積し、フィンテック市場でも既に世界で大きな存在感を示している。海外からも積極的に企業を呼び込むことで、さらなる金融サービスの市場拡大を図る。

(木下裕之)

(英国)

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