カナダ・アルバータ州政府、2019年からの原油生産削減を要請

(カナダ)

米州課

2018年12月28日

カナダ原油の8割を生産するアルバータ州政府は12月2日、原油価格と州財政の安定化を図るため、州内企業に対して2019年1月からの原油とオイルサンドの生産削減を要請外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。削減量は2018年の生産水準の8.7%減に当たる日量32万5,000万バレルで、減産はエンブリッジ・パイプライン3が開通する2019年末まで継続される。

カナダ産原油であるオイルサンドは粘性が強い鉱物油分(ビチューメン)を含む砂岩で、精製して超重質油を抽出できる。カナダのオイルサンドの価格指標(WCS:ウエスタン・カナディアン・セレクト)は2018年11月末に1バレル当たり11ドル台と、米国原油価格指標(WTI)と比べて、一時50ドル以上の割安となっていた。もともと、オイルサンドは精製、輸送で米国産軽質油と比べてコスト高となるため、WTIより割安の水準で取り引きされる。加えて、最近ではカナダ国内の生産余剰やパイプラインの送油能力の不足などで、価格低迷が続いていた。

今回の決定を受けて、12月27日時点でオイルサンドの価格(WCS)は30.37ドルへ回復し、同日のWTI(45.71ドル)との価格差は大きく縮小している。

(木村誠)

(カナダ)

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