中間選挙の南西部は民主党が下院で3議席奪還

(米国)

ロサンゼルス発

2018年11月08日

11月6日に投開票された米国中間選挙について、南西部の5州(アリゾナ州、コロラド州、ユタ州、ニューメキシコ州、ネバダ州)およびハワイ州の上院および下院選と知事選の結果を報告する。

上院選は5州で行われた(表1参照)。ネバダ州では、民主党のジャッキー・ローゼン前連邦下院議員が、共和党現職のディーン・ヘラー氏を5.0ポイント差で破って当選した。ユタ州では、2012年の大統領選で共和党候補だったミット・ロムニー元マサチューセッツ州知事が当選した。同氏は2002年ソルトレーク五輪で組織委員を務め、ユタ州に総本山のあるモルモン教徒でもある。トランプ大統領もツイッターで「彼は偉大な上院議員となる」と支持を表明していた。アリゾナ州は女性候補対決で、選挙情報サイトポリティコによれば、開票率99.5%となった米国太平洋時間7日午後5時時点で、共和党のマーサ・マクサリー氏(得票率49.3%)と民主党のカイルステン・シネマ氏(48.4%)の大接戦となっている。ニューメキシコ州、ハワイ州では民主党の現職が再選した。ハワイ州の民主党現職のメイジー・ヒロノ氏は日本生まれで、米国初のアジア系女性上院議員だ。

表1 南西部5州とハワイ州の連邦上院議員選挙結果

下院では、アリゾナ州の1議席、コロラド州の1議席、ユタ州の1議席を民主党が奪還する見込み。アリゾナ州では、上院候補となったマクサリー氏が抜けた2区で民主党に議席を奪われた。コロラド州では、6区で民主党の新人ジェーソン・クロウ氏が共和党の現職マイク・コフマン氏を破った。クロウ氏は、オバマ前大統領の再選時の軍事顧問などの実績があり注目されていた。ユタ州では全4区を共和党が占めていたが、今回は4区で現職のミア・ラブ氏が民主党のベン・マクアダムス氏に敗れるとみられる。南西部5州とハワイでは、共和党が合計3議席を失った(表2参照)。

表2 南西部5州とハワイ州の連邦下院議員選挙結果

知事選では、ニューメキシコ州とネバダ州で知事の所属政党が共和党から民主党に変わった。ニューメキシコ州の共和党マルティネス知事の任期満了に伴う知事選では、民主党のミシェル・グリシャム前連邦下院議員が、共和党のスティーブ・ピアス前連邦下院議員を抑えて当選した。ネバダ州の共和党サンドバル知事の任期満了に伴う知事選では、民主党のスティーブ・シソラッククラーク郡委員会議長が、共和党のアダム・ラクソルト前州司法長官を4.1ポイント差で抑えて当選した。

コロラド州の民主党ヒッケンルーパー知事の任期満了に伴う知事選では、民主党の前連邦下院議員ジャレド・ポリス氏が、共和党のウォーカー・ステイプルトン前州財務長官を抑えて当選し、引き続き民主党が守った。ポリス氏は同性愛者であることを明らかにして当選した初の知事になると言われている(「CNNニュース」電子版11月7日)。

アリゾナ州では現職の共和党ダグ・デュシー知事が再選した。ハワイ州では現職のデビッド・イゲ知事が共和党のアンドリア・テュポラ前州下院議員を破り再選を果たした(表3参照)。

表3 南西部5州とハワイ州の知事選挙結果

(北條隆)

(米国)

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