海外機関投資家を対象に、債券利息収入への企業所得税と増値税を免除

(中国)

北京発

2018年11月30日

財政部と国家税務総局は11月22日、海外の機関投資家が中国国内債券への投資から得た利息収入について、企業所得税と増値税を免除するとの通知外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。免除期間は、2018年11月7日~2021年11月6日の3年間。

この方針は、8月30日の国務院常務会議で既に決定していた。今回、具体的な実施時期や除外対象が明らかになった。

一方で、海外の機関投資家が中国国内に設立した機構などと実質的な関係のある債権から得た利息は、免除対象には含まれないとした。

これまで、海外機関投資家による中国国内の債券市場への投資については、「国債と地方政府債以外は、債券利息収入に関する明確な課税免除の規定がなかった」との指摘があり(「週刊第一財経」11月26日)、「不確定性によるコンプライアンスリスクが海外の機関投資家の参入の障害となっていた」とされてきた(「証券時報」11月23日)。

今回の措置で、政策性金融債権、信用債券などの利息収入も免除対象となることが明確になり、それらへの投資拡大が期待される。

東方金城の王青首席アナリストは措置の効果について、「短期的には海外資本の中国国内における人民元資産配置の拡大と金融項目のバランス改善に加え、人民元市場の安定にもつながる」と分析している(「21世紀経済報道」11月23日)。

(藤原智生)

(中国)

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