深セン市と珠海市をつなぐ「深珠通道」建設計画を発表

(中国)

広州発

2018年11月29日

珠海市政府は11月15日、「珠海市幹線道路網計画外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(以下、「計画」)を原則承認した。これにより、深セン市、香港と珠海市を含む広東省西部の接続を強化するため、深セン市と珠海市を結ぶ「深珠(伶仃洋、注1)通道」を建設することが決まった。この道路は深セン市南山区の前海開発区から、伶仃洋の上を通って、珠海市の唐家北をつなぐ。

深珠通道は2010年に提唱され、2016年に深セン市が発表した「深セン市軌道交通線網計画(2016~2030)」や、2017年に珠海市が発表した「珠海市総合交通配置計画」でも言及された。2018年10月10日に開催された珠海市第8回全市公共道路建設会議で、深珠通道は道路・鉄道両用とされた。高速鉄道の駅の場所も検討中だ。深セン市も2018年6月に発表した「深セン市高快速路網最適化および地下快速道路配置計画」の中で、深珠通道と、広州市と深セン市を結ぶ「広深沿江高速道路」、深セン市の東西をつなぐ主要通路の「南坪快線」を連結することを発表した。

2つの経済特区を結ぶ深珠通道の役割

深セン市と広東省西部をつなぐルートとしては、既に「深中通道」(注2)が建設されている。深セン市から広東省西部への産業移転が進む中、深セン市と西部を結ぶ道路は虎門大橋だけであることから、渋滞が深刻化している。深珠通道の建設は深セン市と珠海市の発展と、広東・香港・マカオグレートベイエリア(注3)での産業の移動を推進する重要な意義がある(「南方綱」11月18日)。

(注1)広東省の珠江口にある水域。虎門鎮から、香港、マカオに至る。水域面積は約2,100平方キロ。

(注2)深セン市と中山市を橋や海底トンネルで結ぶプロジェクト。

(注3)世界の東京、ニューヨーク、サンフランシスコの3つのベイエリアを参考に、中国政府が推進している地域発展計画。対象地域は香港特別行政区、マカオ特別行政区、珠江デルタ9市(広州市、東莞市、深セン市、恵州市、仏山市、中山市、珠海市、江門市、肇慶市)。

(郭冬梅)

(中国)

ビジネス短信 dc3fe7df0e2a7ac2