ブルッキングス研究所が指摘、中間選挙では白人層の共和党支持が減少

(米国)

ニューヨーク発

2018年11月19日

ワシントンのシンクタンク、ブルッキングス研究所が11月8日に公表したレポート外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(2018 exit polls show greater white support for Democrats)によると、11月6日に実施された中間選挙では、民主党が共和党と比べて、2016年の大統領選挙(以下、2016年選挙)よりも白人の若年層や非大卒男性などの支持を多く集めたことが、結果に影響を与えたという。

中西部4州で共和党は白人労働者の支持失う

同研究所は、CNNなどが実施した出口調査の結果に基づき、有権者が民主党に投票した割合から共和党に投票した割合を引いた差を算出した。これによると、有権者の約7割を占める白人層は、2016年選挙より共和党を支持する割合が半減した(添付資料参照、マイナス20%→マイナス10%)。また白人層の投票割合を年齢別にみると、特に45歳未満の共和党支持が減少、もしくは民主党支持が増加した。性別・学歴別には、白人・非大卒男性による共和党支持が減少し、白人・大卒女性による民主党支持が増加した。同レポートは「共和党が白人・労働者階級の支持を失い、民主党が白人・大卒女性の支持を伸ばしたことが、2016年選挙と対照的」と指摘した。

同様の傾向は、2016年選挙においてトランプ大統領が勝利した中西部4州においてもみられた。ミシガン州とウィスコンシン州の州知事選挙、オハイオ州とミズーリ州の上院議員選挙で共和党候補者の支持は、2016年選挙における白人・非大卒男性のトランプ大統領支持をそれぞれ20ポイント以上下回った。白人・大卒女性による民主党候補者を支持する割合は、ウィスコンシン州を除く3つの選挙において大幅に増加した。

南部の州では、やや異なるパターンもみられた。フロリダ州とジョージア州の州知事選挙では、中西部と同様、白人・非大卒男性や白人・大卒女性による共和党候補者を支持する割合が減少した一方で、ネバダ州とテキサス州の上院議員選挙では、白人・非大卒男性による共和党支持の割合が5ポイント程度拡大した。

同レポートは、米国内の人種多様化が進む中で、人種的マイノリティーからの支持は民主党を中心に重要となるが、「今後の選挙では、今回のような白人層内のシフトが重要となってくるだろう」と指摘した。

(権田直)

(米国)

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