日曜営業制限でショッピングセンター客数が減少

(ポーランド)

ワルシャワ発

2018年11月13日

小売業専門の調査・コンサルティング企業リテール・インスティチュートは10月29日、120以上のショッピングセンターを対象に行なった調査(期間:1月1日~10月14日)で、調査期間の客数が前年同期比3.1%減(916万人減)となったと公表した。ポーランドでは、2018年3月から小売店の日曜営業を禁止する日曜営業制限法(2018年1月23日記事参照)が施行されている。2018年中は毎月第1日曜日と最終日曜日のみ、2019年からは最終日曜日のみ営業が認められ、2020年からは定められた年7日の日曜日を除く全ての日曜日の営業が禁止される(注)。同調査では、月曜日から土曜日の客数は3.7%増、ショッピングセンターの営業が認められている毎月第1日曜日と最終日曜日の客数は3.8%増だった。営業制限がされている日曜日以外の客数は増加したものの、調査期間全体としての客数は減少した。

同法をめぐっては3月以降、国内でさまざまな動きがある。ガソリンスタンドや郵便局など日曜営業が認められる32の例外に関し、これら機能を備えた小売店の日曜日の営業の適法性が裁判所で争われている。また、独立自主管理労働組合「連帯」は営業制限時間の延長(土曜日の夜と月曜日の早朝を含む)のための法改正を要求、それに対して、ポーランド民間経営者連盟「レビアタン」など4つの経済団体がエリジビエタ・ラファルスカ家庭・労働・社会政策相に、反対の立場を示す意見書を提出している。

なお、日曜営業制限を受けて、オンラインでの販売が拡大するとの予測もあるが、現在のところ、まだその影響評価は十分にはされていない。eコマースの業界団体「デジタル経済評議会」が2017年に、オンラインでの食料品の購入状況について実施した調査によると、オンラインで食料品を買う消費者は16%で、計画してオンラインで大量に食品を購入する消費者の32%が「週末に購入する」としている。日曜営業制限法により、食料品分野でもオンラインでの購入が加速するとの見方もある。

(注)定められた年7日の日曜日の営業は2018年、2019年も可能。

(深谷薫、イボナ・ムロチェク)

(ポーランド)

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