広州市の1~9月GRP成長率は6.3%、輸出が不振
(中国)
広州発
2018年11月13日
広州市統計局の発表によると、2018年1~9月の広州市の域内総生産(GRP)の成長率は6.3%、総額は1兆6,708億2,700万元(26兆7,332億円、1元=約16円)だった。成長率は前年同期より1.0ポイント低下した(図参照)。
産業別の成長率は第一次産業が1.9%、第二次産業が5.9%、第三次産業が6.6%だった。
投資や消費は増加、輸出は大幅減
項目別では、固定資産投資は前年同期比6.9%増(伸び率は前年同期より0.5ポイント低下)となった(表参照)。うち、不動産開発投資は4.7%増(3.2ポイント低下)だった。製造業の投資は66.7%増と大幅に伸びた。業種別では電子・情報製造業が2.4倍、石油化学製造業が78.7%増と大幅に増加したが、自動車製造業は6.0%の微増となり、自動車部品製造業は12.4%減と減少した。
社会消費品小売総額は前年同期比7.6%増(0.8ポイント低下)の6,789億6,663万元となった。うち卸・小売額は7.9%増の5,714億7,680万元、宿泊・飲食業収入は5.6%増の874億8,983万元だった。
貿易額は前年同期比4.7%減(22.6ポイント下落)の7,046億7,300万元で、うち輸出が10.8%減(26.6ポイント下落)の3,988億5,900万元、輸入が4.6%増(16.7ポイント低下)の3,058億1,400万元だった。
自動車生産は減少も新エネ車は大幅増
一定規模以上(注)の工業企業の付加価値額は6.3%増(2.1ポイント上昇)の3,245億4,200万元となった。製品別の生産量は自動車が0.9%減の220万1,600台で、前年同期の19.9%増から大きく落ち込んだ。一方、新エネルギー車は3.8倍の1万5,000台と大幅に増加したほか、IC(集積回路)が3.2倍、移動通信基地設備が2.2倍、サーバーが43.5%増、スマートテレビが28.8%増、リチウムイオン電池が27.3%増となるなど、ハイテク関連製品は堅調だった。
米中貿易摩擦の影響が徐々に表れる
広州市統計局は2018年1~9月の経済状況について、工業、商業、投資、サービス業などが安定的に推移し、安定成長を維持したものの、米中貿易摩擦の影響が徐々に表れるなど、経済成長は大きな下押し圧力にさらされているとした。今後は経済構造の転換の加速や、内生的な牽引力の増強により、質の高い経済発展を推進する、とした。
(注)主要業務収入が2,000万元以上の卸売業、500万元以上の小売業の法人、主要業務収入が2,000万元以上の工業企業法人など。
(河野円洋)
(中国)
ビジネス短信 b41de62d5b9065ef