第3四半期のGDP成長率は5.17%、前期より減速

(インドネシア)

ジャカルタ発

2018年11月22日

インドネシア中央統計庁(BPS)は11月5日、2018年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率が、前年同期比5.17%だったと発表した。成長率は前期(5.27%)から減速したものの、前年同期(5.06%)を上回った(図参照)。現地の報道によると、2018年通年の成長率は前年を上回る約5.1%となる見通しだ。

図 四半期別実質GDP成長率(前年同期比)の推移

前期からの減速は、断食明け大祭(レバラン)などの季節要因で前期に消費が押し上げられていた民間消費が、当期に入って0.13ポイント減少したことが主な要因だ。他方で、民間消費の伸びが依然として前年同期比で5%を超えていることから、地元紙では肯定的な評価がみられる。マンディリ銀行エコノミストのデンディ・ラムダニ氏は、民間消費の伸び率が5.01%だったことについて、「消費が堅調に推移している」と述べた。名目GDPの3割超を占める投資は、6.96%増と前期より加速し、約1割を占める政府支出も6.28%増と堅調だった。

2018年通年の成長率見通しに関して、報道では、前年の5.07%よりは上昇するとしつつも、政府目標である5.2%には届かないだろう、との見方が大勢だ。デンディ氏は、年末にかけて消費が盛り上がるため、第4四半期に5.2%程度まで成長率が伸びるものの、通年では5.1%程度と予測する。インドネシア経済改革センター(CORE)エコノミストのピーター・アブドゥラ氏は、通年では5.1~5.15%と予想している。

(山城武伸)

(インドネシア)

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