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欧州委、2050年までの温室効果ガス排出の「気候中立」実現を検討

(EU)

ブリュッセル発

2018年11月30日

欧州委員会は11月28日、2050年までに温室効果ガス(GHG)排出を1990年比で80%以上の削減、さらに「気候中立」(climate neutral、実質排出ゼロ)の実現に向けて取り得る道筋を検討した長期戦略PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発表した。交通や発電のデジタル化、製造業と消費における循環型経済化などを統合的に分析し、経済成長策の大規模な動員も必要になると強調した。

発電の完全な脱炭素化も

欧州委は各セクターに期待される役割について分析している。電力部門では、再生可能エネルギーの導入によるエネルギー・システム全体の大規模な電化に伴い、産業変革の中核になるとし、2050年までに発電の脱炭素化をし、エネルギー生産量の80%以上を再生可能エネルギーにすべきとした。製造業については、GHG排出の大部分を占める加熱工程における低排出・排出ゼロエネルギー(再生可能電力、バイオマス、水素など)の導入、化学反応など製造工程からの排出削減に向けた技術開発や炭素回収貯留(CCS)などイノベーション強化の必要性を指摘している。さらに、再利用・リサイクル促進による資源効率の改善と排出削減にも言及した。

交通では低排出車や代替燃料への転換、デジタル技術による交通システムの効率化などに、農業では家畜や肥料の管理改善に言及している。建築物については、断熱化や省エネ製品・家電、スマート化などが役立つとした。

欧州委は、実質排出ゼロを実現するためには、植林や土壌管理によるGHG吸収とCCSも必要となるとの見方だ。また、エネルギー部門への投資を拡大する必要があるが、低排出型の社会への転換によって経済成長と雇用は拡大するとみている。

欧州のガス事業者団体ユーロガス(Eurogas)は欧州委の発表を歓迎し、パワー・ツー・ガス(余剰の再生可能エネルギーによる水素など気体燃料の製造)などで求められる製造業、交通など産業を横断したエネルギー統合に関する詳細な戦略の策定を勧告した。一方、欧州労働組合連合(ETUC)は、脱炭素化に向けて労働者の適応支援への予算確保などを求めた。

(村岡有)

(EU)

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