ASEAN関連首脳会議が閉幕、安全保障などで議論

(ASEAN、シンガポール)

シンガポール発

2018年11月21日

シンガポールで11月13日から開催されていたASEAN関連首脳会議は、15日に閉幕した。

ASEAN首脳会議の初日の13日は、ASEAN10カ国首脳により、中国と一部加盟国が領有権を争う南シナ海問題のほか、北朝鮮情勢やミャンマー少数民族について議論が行われた。

続く14~15日は、ASEAN10カ国がパートナー国の首脳を招き、首脳会議が行われた。14日にはオーストラリア(スコット・モリソン首相)、中国(李克強首相)、韓国(文在寅大統領)、ロシア(ウラジーミル・プーチン大統領)、日本(安倍晋三首相)の5カ国と、ASEAN+1での首脳会議が行われた。このうち日ASEAN首脳会議において、安倍首相は「日ASEAN友好協力45周年」「対ASEAN支援」「産業人材育成協力イニシアティブ2.0」「自由貿易の推進」などに関して発言した。続いて、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)首脳会議が、交渉参加16カ国首脳によって開催された。

最終日の15日には、インド(ナレンドラ・モディ首相)、米国(マイク・ペンス副大統領)に続き、ASEAN+3(日中韓)首脳会議、東アジア首脳会議(EAS)が開催された。ASEAN10カ国および日米中ロなど合計18カ国の首脳らが出席したEASでは、南シナ海問題、北朝鮮など安全保障に関わる議題のほか、テロ・過激主義対策、サイバーセキュリティー、海洋プラスチックごみなどについて議論した。

同日のASEAN関連首脳会議の閉幕式では、タイのプラユット・チャンオチャー首相が2019年の議長国を引き継ぎ、一連の会合が閉幕した。今回の議長国シンガポールのリー・シェンロン首相は、閉幕後の記者発表で、ASEANのさらなる発展にはデジタル技術や気候変動への対応などで、「加盟国が協力して解決しなければならない」と発言。今後10年間でASEANが取り組むべき事項として、経済統合の深化、加盟国の結束強化、デジタル経済に対応した人材育成を挙げた。また、RCEPの交渉進捗や、安全保障面における加盟国の協力強化を関連首脳会議の成果とした。

(藤江秀樹)

(ASEAN、シンガポール)

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