CPI上昇率、10月は前年同月比16.3%に

(ウズベキスタン)

タシケント発

2018年11月27日

ウズベキスタンのインフレの収束が遅れている。国家統計委員会によれば、消費者物価指数(CPI)上昇率(前年同月比)は2018年1月の20.1%から低下する傾向で推移していたが、9月に上昇に転じ、10月は16.3%となった。

IMF欧州局エコノミストのアルベルト・イェーガー氏は「インフレ率は年末に18%にまで達し、2019年はさらに高進する可能性がある。目下、経済成長率は5%なのに対して銀行の融資残高は44%増で推移しており、インフレを抑えるには融資を縮小するしかない」と述べている(インターネット情報サイト「Kun.uz」11月9日)。

IMFの10月の地域経済見通しでは、ウズベキスタンのCPI上昇率(年平均)は2018年19.2%、2019年14.9%と想定されている。(イェーガー氏とは異なり)2018年のインフレ高進の背景には、2017年9月の外為規制の緩和による通貨スムの公定レート切り下げとモノ・サービス価格の引き上げの影響があり、2019年には物価上昇が徐々に収まるとの見方がなされている。経済成長率については2018年、2019年ともに5.0%と、5月時の見通しに据え置かれている。

なお、2017年末に策定された2018年度予算案では、政府の2018年のインフレ率見通しは12~13%、中央銀行による予想値は11.5~13.5%だった。

(下社学)

(ウズベキスタン)

ビジネス短信 9737724e061c0048