ビジネス環境格付けでジョージアが上位、ロシアは改善も目標到達せず

(ジョージア、ロシア、ロシア・CIS)

欧州ロシアCIS課

2018年11月01日

世界銀行は10月31日、世界190カ国の事業環境を評価・ランキング付けした「Doing business」の2019年版を発表した。旧ソ連地域ではジョージアがトップの6位に入り、アゼルバイジャンは大きく順位を上げ25位となった。その一方、2018年までに同ランキングで上位20位入りを目指していたロシアは、4つ順位を上げたものの、31位にとどまった(表参照)。

表 Doing Business 2019 「ビジネスのしやすさ(総合)」ランキング

6位に入ったジョージア(2018年は9位)は、付加価値税の支払いに関する制度改正や、係争裁判での判事選任の自動化による恣意(しい)性の除去(公平性の担保)などが評価された。アゼルバイジャンは2018年の57位から32順位を上げ、25位となった。建設許可取得や送電網への接続でワンストップサービスを整備して手続きの効率化を図ったことや、税金の支払い、輸出入通関手続きで電子化が進んだことなどが評価された。

ロシアについては、建設許可の取得、電力網への接続、税金の支払い、対外取引(通関手続き)の項目で改善評価がされたが、プーチン大統領が2012年5月に目標として設定した「2018年までに上位20位に」という目標には届かなかった。政府内で連邦構成体(日本の都道府県に該当)の投資環境ランキングの格付けを担当する戦略イニシアチブ庁(ASI)のスベトラーナ・チュプシェワ長官は「(目標には届かなかったものの)過去数年でロシアの投資環境が大きく改善した」とコメント。建設許可の取得手続きでは、検査の質を高めながら申請期間を短縮したことや、今回の格付け評価の対象にならなかったものの、会社経営に関する制度改革も進んでいる点などにも触れた。マクシム・オレシキン経済発展相は(現在の政権目標の達成期間である)2024年まで、引き続き同ランキングの上位20位入りを目指すとしている。

旧ソ連地域では、国の経済発展の指標として同ランキングについて言及されるケースが多く(2018年10月26日記事参照)、毎年、関心を呼んでいる。

(高橋淳)

(ジョージア、ロシア、ロシア・CIS)

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