外国人訪問者数が拡大、政府も観光に本腰

(ウズベキスタン)

タシケント発

2018年11月28日

ウズベキスタンを訪れる外国人の数が増えている。外国人観光客のさらなる呼び込みに向け政府の取り組みも本格化しつつある。アジズ・アブドゥハキモフ副首相(教育、保健、自然環境保全、スポーツ担当。前国家観光発展委員会議長)によれば、2018年1~9月の外国人訪問者数は390万人で、前年同期比200万人増加したという(インターネットメディア「UzDaily」11月6日)。

11月13日以降、パブリックコメントに付されている大統領決定「2025年までの観光発展のための施策について」案によると、2017年にウズベキスタンを訪れた外国人は269万人だったが、2025年には909万人に拡大させる計画だ。アブドゥハキモフ副首相は大統領指令「観光分野発展加速のための研究グループ創設について」(2018年11月2日付)でうたわれる政府の取り組みについて、「ホテル、B&B(注)などの宿泊施設建設や交通インフラの整備といったハード面に加え、効果的な手法を用いた観光情報の発信、航空運賃・宿泊費などへの柔軟な価格体系の導入、文化的イベント、土産物の製造などを通じ観光業の収益拡大を図ることが必要」と述べている。

ビザ取得要件緩和の効果で日本人も増加

日本人の往来も増えている。2018年1~8月の日本人訪問者数は前年同期比54%増の1万28人となり、初の1万人超えと報じられた(インターネットメディア「Kun.uz」9月21日)。日本の旅行大手エイチ・アイ・エス(H.I.S.)は、2018年夏休みの予約件数の増加でウズベキスタンが前年比約5倍の2位だったと発表している(調査は6月実施、対象はH.I.S.の海外ツアー、航空券予約者)。2018年2月から日本人はビザなしで30日間までの滞在が認められおり、その効果が数字に表れた格好だ(2018年2月6日記事参照)。

英国の冒険型グループツアー会社「Gアドベンチャーズ」が発表した「2019年に注目を集めるホットな旅行先国のランキング」には、1位の日本に次いでウズベキスタンが2位にランクインした。旅行者にとって重要な治安についてもウズベキスタンの評価は高い。米国の世論調査会社ギャラップが行った、警官への信頼度や犯罪の頻度を地元の人々に聞く「世界の法と秩序調査2018年版」では、ウズベキスタンの安全度は、シンガポール、ノルウェー、アイスランド、フィンランドに次いで5位(142カ国中)となっている。

(注)「Bed&Breakfast」の略。宿泊と朝食をセットにした簡素なタイプの宿泊。

(下社学)

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