中間選挙は民主党が下院で勝利、共和党は上院で多数維持
(米国)
米州課
2018年11月07日
トランプ政権にとって初の全国規模の審判となる中間選挙の投開票が11月6日に行われた。CNNの報道(米東部時間11月6日午後11時)によると、下院では民主党が多数派の確保を確実にし、上院では、共和党が51議席を獲得、多数派を維持した。この結果、2019年1月から始まる第116議会では、下院が民主党、上院が共和党の「ねじれ状態」になり、法案審議の難航、トランプ大統領と議会民主党との対立が予想される。
定数435(任期2年)の全議席が改選される下院は、改選前は共和党が235議席、民主党が193議席、空席が7議席となっていた。CNNの報道などによると、民主党は過半数の218議席を上回る見通しで、2010年の中間選挙以降続いた共和党による下院多数党の地位を奪うこととなった(図参照)。
米政治専門サイトのリアル・クリア・ポリティクス(RCP)の11月5日の直前予測では、民主党優位は203議席、共和党優位は194議席で、接戦が38議席となっていた。
注目の選挙区としては、2016年の大統領選でトランプ氏がクリントン氏に15ポイント以上の差をつけたケンタッキー州6区で、共和党のアンディー・バー下院議員が民主党候補で退役海兵隊員のエイミー・マクグラス氏を破った。
1989年から下院議員を務めたキューバ出身の共和党イリアナ・レイティネン議員の引退により空席となったフロリダ州27区では、クリントン政権で社会福祉長官を務めた民主党候補のドナ・シャレイラ氏が勝利し、議席を奪った。
定数100(任期6年)の上院では補欠選挙2議席を含め35議席が改選された。改選前の保有議席数は、共和党の51議席に対し民主党は49議席で、改選数は共和党の9議席に対し、民主党26議席のため、選挙前から共和党の優勢が報じられていた。
注目の選挙区では、インディアナ州で実業家のマイク・ブラウン氏が、民主党現職のジョー・ドネリー上院議員を破った。共和党のボブ・コーカー上院議員が引退を決めたテネシー州では、下院議員からくら替えをした共和党候補のマーシャ・ブラックバーン氏が勝利し、テキサス州では共和党のテッド・クルーズ議員が再選を果たした。
一方、ウェストバージニア州では、民主党の現職議員が再選を確実にした。
(中溝丘)
(米国)
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