マハティール首相、都内で投資を呼び掛け

(マレーシア)

クアラルンプール発

2018年11月07日

11月5~7日の日程で来日したマハティール・モハマド首相は11月6日、ジェトロが都内で開催したマレーシア・ビジネス・フォーラムの基調講演で、今後の国づくりの方向性を示し、出席した日本企業にマレーシアへの投資を呼び掛けた。同フォーラムは、日本マレーシア経済協議会(JAMECA)およびマレーシア日本経済協議会(MAJECA)が毎年行う合同会議と併催され、両協議会の委員企業やマレーシアビジネスに関心のある日本企業など約600人が参加した。

写真 マレーシアへの投資を呼び掛けるマハティール首相(ジェトロ撮影)

マレーシアへの投資を呼び掛けるマハティール首相(ジェトロ撮影)

マハティール首相は講演において、5月の第14回総選挙について「国民が変化を求めた結果」と述べ、新政権の喫緊の任務として、前政権が隠ぺいしていた1兆リンギ(約27兆円、1リンギ=約27円)を超える連邦債務の解消と、官僚組織の立て直しを挙げた。また、11月2日に発表した2019年予算案では歳出が前年比8.3%増と拡大したものの、財政赤字はGDP比3.7%に抑制できたことに触れ、「財政再建に向けて、一歩を踏み出した」と強調した。

さらに、同首相は「ビジネスは富を生み出し、その富は国にもたらされる」と述べ、国内企業だけでなく、外国企業に評価される投資環境づくりを表明した。国内企業か外国企業かを問わず、法の支配にのっとった「ビジネスフレンドリーかつ開放的な政策を目指す」とした。

質疑応答では、今後の投資促進政策についての方向性や若年世代の人材育成など、一つ一つの質問に対して首相自ら回答した。特に人材育成については、「常に日本の労働倫理を学ぶことを重要視してきた」と述べ、「マレーシア人が日本の現場で、日本人と共に仕事をする機会を増やしたい」と期待を示した。

(田中麻理)

(マレーシア)

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