日産、サンクトペテルブルクの技術センター機能を強化

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2018年11月16日

日産自動車は11月9日、ロシアのサンクトペテルブルクに技術支援・開発拠点「テクニカルセンター」の新オフィスを開設した。日産自動車ロシアがプレスリリースで発表した。

同センターは、日産テクニカルセンターヨーロッパ(NTCE)のロシア拠点で、当初は2005年に市場調査を目的に、モスクワのディストリビューター店に開設された。2011年にサンクトペテルブルクの同社組立工場「日産ロシア製造(NMGR)」内に移転。今回、工場と同じ地区の市内中心部寄りの場所に4,170平方メートルの建屋を建設し、独立した。NMGRの製造規模拡大に応じて、テクニカルセンターの役割も拡大しており、現在ではロシアの自然・走行環境や消費者の嗜好(しこう)に合わせた特性適合・性能設計や、NMGRの製造ライン支援、現地調達率向上に向けた地場部品製造企業の開拓・認定・技術支援を行うなど、活動の幅を広げている。

現在、同センターでは120人の技術者が勤務。新建屋には研究・試験関連機材も導入されている。同センターの開所式に出席したNTCEの東倉伸介上級副社長は「テクニカルセンターのオフィス新設は、(日産自動車の)ロシアでの技術開発の促進に向けた経営陣の強いコミットメントの証左」と述べたほか、連邦政府とサンクトペテルブルク市政府に引き続き支援を要請した。サンクトペテルブルク市政府のマクシム・メイクシン産業政策・イノベーション委員長は「センターが世界基準の品質を持つ自動車産業の発展の場になることを期待する」と、歓迎の意を表明している。

ロシア連邦政府は自動車産業振興のため、国内の自動車メーカーをさまざまな優遇政策を通じて支援するかたわら、次世代自動車の基幹部品製造工程の(ロシアへの)移管、開発機能の強化、輸出の強化などを各社に求めている(2018年7月12日記事参照)。

(高橋淳)

(ロシア)

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