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2019年予算案、財政健全化と国民生活向上のバランス重視

(マレーシア)

クアラルンプール発

2018年11月30日

マレーシアのリム・グアン・エン財務相は11月2日、2019年予算案を発表した。マハティール新政権による最初の予算案となる。一般歳出が前年比10.4%増の2,599億リンギ(約7兆円、1リンギ=約27円)、開発支出が0.4%減の547億リンギと、歳出合計は8.3%増の3,146億リンギ(表参照)。前政権下での不適切な財政運営の改善を最優先としつつも、国民の生活向上にも力点を置き、バランスを重視した政策を盛り込んだ。

表 2019年政府予算案

歳入は2,618億リンギで、財政赤字はGDP比3.4%を見込む。歳入には国営石油会社ペトロナスからの300億リンギの特別配当が含まれており、これは未還付となっている350億リンギ相当の物品・サービス税(GST)や所得税の還付に充てられる。

構造改革、国民の社会福祉、経済振興の3本柱

2019年予算案外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは「よみがえるマレーシア、力強い経済、豊かな社会」をテーマとし、(1)構造改革、(2)国民の社会的経済的福祉の保障、(3)起業家経済振興、の3本柱で構成される。構造改革では、財政運営の透明性を高めるための新法制定、歳入増のための税制改革など、財政健全化に対する取り組みが重点的に盛り込まれた。一方、歳入増の施策としては政府資産の売却や税収拡大などがある。

国民の社会的経済的福祉の保障では、2018年9月5日に全国一律1,050リンギへの引き上げを決定した最低賃金を、さらに1,100リンギに引き上げる。そのほか、燃料補助金の導入、低所得者向け補助金の制度改革、医療・ヘルスケアや教育の拡充、公共交通機関など社会インフラ整備にも予算を割く。

起業家経済振興では、マレーシア経済を下支えする中小企業の生産性を向上させる。デジタル経済の発展に資する投資促進政策やブロードバンド整備のほか、製造業におけるインダストリー4.0の導入準備、インセンティブ付与、科学技術・エンジニアリング分野の人材育成などに予算を計上した。

競争力とビジネスのしやすさの向上を目指す

投資環境整備では、地域統括機能を置く企業に付与されるプリンシパル・ハブ認定企業や、環境分野への投資に対するインセンティブなどが盛り込まれた。単純労働に従事する外国人労働者の削減に対する取り組みでは、依存率に応じた年次雇用税率(注)を適用する。マレーシアの競争力とビジネスを円滑化させるため、貿易手続きと税制を中心に規制改革を進める方針だ。

(注)年次雇用税はこれまで、業種ごとに税額(外国人労働者1人当たり)が設定されていた。今後は同業種内であっても、企業の従業員数に占める外国人単純労働者の割合に応じて、3~4段階に分かれたかたちで税額が計算される(マルチティア制度)。

(田中麻理)

(マレーシア)

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