マルムストロム委員、米国の追加関税への対抗策に言及

(EU、米国)

ブリュッセル発

2018年11月15日

欧州委員会のセシリア・マルムストロム委員(通商担当)は11月14日、米国通商代表部(USTR)のロバート・ライトハイザー代表とワシントンで会談した。同委員は会談後、米国のメディアに出演し、「規制協力」や「米国からの大豆や液化天然ガス(LNG)輸入の拡大」についての議論が中心だったことを明らかにしたが、米国がEUに対して追加関税賦課措置を発動した場合の対抗策についても、EU側として検討していると語った。

自動車などで対米対抗措置の用意があることを言明

マルムストロム委員はライトハイザー代表との会談終了後、「長い会談だった」とツイッターに投稿。7月25日のEU・米国首脳会談(2018年7月26日記事参照)での通商関係の協議事項についてのフォローアップを行ったとしたが、米国との貿易手続きの円滑化に向けた「規制協力」について進展があったことを明らかにした。

また、会談の終了後、米国CNBCの取材に応えて、ライトハイザー代表との会談は、建設的で和やかなもので、「規制協力」や「米国からの大豆やLNG輸入拡大」についての議論が中心だったと語った。しかし、米国のトランプ政権がEUからの自動車輸入などに対して追加関税賦課に踏み切った場合、EUとしての「対抗措置を発動する品目リストを用意している」ことにも言及した。ただし、こうした事態悪化は望んでいないとも述べた。このほか、中国との関係については、ライトハイザー代表との会談で、「(中国の)国営企業に対する巨額の補助金給付」や「サイバー・セキュリティー」についての問題意識を共有したとしている。

(前田篤穂)

(EU、米国)

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