福州市の1~9月GRP成長率は8.6%、民間投資が好調
(中国)
広州発
2018年11月16日
福州市統計局の発表によると、2018年1~9月の福州市の域内総生産(GRP)の成長率は前年同期比8.6%で、総額は4,858億9,000万元(約7兆7,742億円、1元=約16円)だった(図参照)。成長率は前年同期より0.4ポイント上昇した。
産業別の成長率は第一次産業が4.1%、第二次産業が8.5%、第三次産業が9.3%だった(表参照)。
民間投資は大幅増、消費も堅調
項目別では、固定資産投資は前年同期比14.4%増(伸び率は前年同期より4.2ポイント上昇)となった。うち、不動産開発投資は17.4%減の1,064億3,300万元、インフラ投資は21.6%増だった。民間投資は26.9%増で、福州市全体の投資増加率への寄与率は99.5%、寄与度は14.3ポイントとなった。福建同元龍旺文化古鎮旅遊開発による観光スポット「八閩古城景区」の開発、福建泰銘新世紀科技のカラーステンレス鋼生産などのプロジェクトが実施された。
社会消費品小売総額は前年同期比12.8%増(2.3ポイント上昇)の3,342億500万元だった。インターネットを通じた商品販売額が28.4%増の143億8,300万元となった。
貿易額は前年同期比5.5%増(11.0ポイント低下)の1,875億元で、うち輸出が10.1%増(1.8ポイント上昇)の1,264億6,800万元、輸入が3.0%減(38.0ポイント低下)の610億3,200万元だった。
一定規模以上(注)の工業企業の付加価値増加額は9.0%増(1.0ポイント上昇)だった。
第三次産業の発展などに懸念も
福州市統計局は1~9月までの経済状況について(1)従来型産業のレベルアップが進んだ、(2)サプライサイド構造改革の効果が表れた、(3)消費がレベルアップし、文化関連の消費が盛んになったとした。(1)については、東旭光電の第8.5世代TFT-LCDガラス基板生産ライン、錦江科技と申遠新材料のポリアミド生産プロジェクトなど、10億元を超えるプロジェクトが実施されたことを挙げた。
一方で、問題点としては(1)第三次産業成長への下押し圧力、(2)一部産業のレベルアップの遅さ、(3)固定資産投資の今後の牽引力不足を挙げた。(1)については金融業や不動産業の成長鈍化、(2)については原材料の上昇によるコスト上昇や一部企業の経営難、(3)については第三次産業への固定資産投資の鈍化などを指摘した。
(注)主要業務収入が2,000万元以上の卸売業、500万元以上の小売業の法人、主要業務収入が2,000万元以上の工業企業法人など。
(河野円洋)
(中国)
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