州知事選挙は7州で民主党が奪取

(米国)

ニューヨーク発

2018年11月08日

11月6日の中間選挙で行われた州知事選挙(改選36州)では、イリノイ州、カンザス州、メーン州、ミシガン州、ネバダ州、ニューメキシコ州、ウィスコンシン州の7州で、民主党が奪取した。

この結果、CNNの報道(米東部時間11月7日午後7時時点)によると、非改選を含め50州のうち26州が共和党、23州が民主党となり、改選前と比べて民主党が躍進した(図参照)。なおジョージア州では、共和党候補のブライアン・ケンプ氏が勝利宣言を行ったが、民主党候補のステイシー・エイブラムス氏との票差は約6万票と僅差で、決選投票の可能性もあるため勝敗は確定していない。

ちなみに、ファイブサーティーエイト(注1)が11月5日に発表した直前予測では、共和党は26州、民主党は24州とされていた。

図 州知事選の途中結果

36州のうち、再選を目指した現職知事は共和党が13州(注2)、民主党が5州(注3)だったが、民主党が全員再選を果たした一方で、共和党はイリノイ州のブルース・ラウナー知事、ウィスコンシン州のスコット・ウォーカー知事が落選した。

2012年の大統領選挙でオバマ大統領が勝利し、2016年選挙ではトランプ大統領が制した6州については、フロリダ州、アイオワ州、オハイオ州の3州で共和党、ミシガン州、ペンシルベニア州、ウィスコンシン州の3州で民主党が勝利した。改選前はペンシルベニア州を除く5州が共和党知事だったが、ミシガン州とウィスコンシン州で民主党が奪還した。ミシガン州では、民主党候補のグレッチェン・ホイットマー氏が、共和党候補で同州司法長官のビル・シュエット氏に勝利した。ウィスコンシン州では、民主党候補で同州教育長のトニー・エバーズ氏が、共和党現職で元大統領候補のウォーカー氏を破った。このほか、伝統的に共和党が強いとされるカンザス州においても、州務長官でトランプ大統領が支持するクリス・カバ氏が、民主党候補のローラ・ケリー氏に敗れた。

一方で、ファイブサーティーエイトの事前予測で民主党候補の優位が伝えられていたフロリダ州では、共和党候補のロン・デサンティス下院議員と、民主党候補で同州初の黒人知事として期待されていたアンドリュー・ギラム氏(現タラハシー市長)の得票差が投票数の0.5%以下となり、再集計となる可能性もある。

(注1)米国の選挙人の数「538」から名付けられた、ネイト・シルバー氏が開設した選挙や統計情報を紹介するサイト。

(注2)アラバマ州、アリゾナ州、アーカンソー州、イリノイ州、アイオワ州、メリーランド州、マサチューセッツ州、ネブラスカ州、ニューハンプシャー州、サウスカロライナ州、テキサス州、バーモント州、ウィスコンシン州。

(注3)ハワイ州、ニューヨーク州、オレゴン州、ペンシルベニア州、ロードアイランド州。

(権田直)

(米国)

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