UAE、雇用時の銀行保証金の撤廃に伴う新保険を導入

(アラブ首長国連邦)

ドバイ発

2018年11月06日

アラブ首長国連邦(UAE)人的資源・自国民化省は10月15日、従業員の雇用にかかる新しい保険を導入した。これは、UAE内閣が2018年6月に、銀行保証金の撤廃を承認した際、その代替措置として発表されたものだ。

新保険は、民間企業が従業員1人当たり年間60ディルハム(約1,860円、1ディルハム=約31円)の保険料を支払うことで、従業員は1人当たり2万ディルハムを上限として、帰国時のフライト代、不払い賃金の補償、労働災害時の保証などが受けられる。同制度は被雇用者の権利を守るとともに、企業の負担を減らすことができる。近年、ビザ代の値上がりや、従業員の医療保険の加入義務化などで、企業の人材雇用にかかるコストが上がっていた。

これまでは、民間企業は従業員を雇用する際に、1人当たり3,000ディルハムを労災時の保証金や母国への帰国チケット代、退職金などのために銀行に預託することを求められていた。納められていた銀行保証金は、当該従業員の退職または労働許可更新時の保険加入後、企業に返還される。銀行保証金はUAE全体で140億ディルハム規模といわれ、企業はこれを再投資などに活用することができるようになるため、雇用促進策、景気刺激策としても注目されている。

(山本和美)

(アラブ首長国連邦)

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